健康米 味楽農場 藤村ゆきさん(大潟村)
2018年3月29日
多岐にわたる活動
藤村さんは、秋田市のサラリーマン家庭で生まれ育ち、アパレル業界に就職をして農家とは無縁の生活を送っていましたが、結婚を契機に専業農家に転身。「家業だからという意識は無く、その土地での職業選択として農業を選んだ」と話す藤村さん。現在、味楽(みらく)農場を家族で経営し、大潟村で稲作を中心とした専業農家として働くかたわら、農家兼野菜ソムリエとして保育園や小学校に出向いて食育活動なども行っています。さらに、農林水産省「農業女子プロジェクト」での企画・開発や、コラボ商品製作に参加したり、JGAP指導員や米食味鑑定士、利き酒師、生涯学習インストラクターなどの資格を持っているほか、2016年に秋田市で開かれた日本女性会議で農業分科会パネリストを務めるなど幅広く活動しています。
多くの資格取得や、勉強をしていたのは農家をあまりに知らなかったからだと藤村さんは話します。はじめは知り合いもおらず、何も出来ず、肩書に頼って無我夢中にやっていた時期があったそうですが、資格取得の活動を通じて人に出会ったり、共通の資格を持っている人と話がはずんだり、資格を持っていることで人が訪ねてきたりと、縁が広がり、農家を楽しむことができるきっかけになったと、藤村さんは振り返ってくれました。
男女の枠を越えた挑戦
大潟村は農業へのサポート環境が整っていることもあり、育児と農業の両立もできました。幼児期はしっかりと保育所にいれることができ、農繁期には家庭と農業を両立するための昔ながらの文化である「共同炊事」のサービスも利用できます。
女性の力が強いようにも思えますが、体力が必要な部分や危険な作業は男性が担当することが多いそうです。「農業人口の男女比はおよそ半々。そう考えると、男性の力あっての女性で、女性の力あっての男性で、支え合っているんだと思う」と話す藤村さん。「男性の仕事、女性の仕事だと分けないほうが、将来的な可能性があると思う。女性でも勉強をすれば、機械を扱うことができる」と話し、従来は男性が扱うことが多かったフォークリフトの免許も取得するなど、男性と女性の垣根を越えて挑戦していくことで、男女がより支え合うことができるようになると話します。「自分の体力や年齢に沿って活動ができる、というのも農業の良さかもしれません」と語ってくれました。
若い人へ向けたメッセージ
藤村さんは40歳になった時に「40代は駆け足で過ごそう」と決めたそうで、来るものを拒まず、依頼された仕事は全て受けて、いろいろなことに挑戦してきました。その10年間を間もなく終えようとする今、「資格は無駄ではなかったが、それよりも『農家』であることに勝ることはなく、誰にも真似ができないことだ」と誇りに思えはじめているそうです。「農業では70代も、80代もまだまだ現役。何歳になっても夢を持つことはできるし、挑戦することができる。夢を持って過ごすと自然に笑顔があふれてくると思う。やりたいと思ったら、是非挑戦してみてほしい」と話してくれました。
健康米 味楽農場
●秋田県南秋田郡大潟村東2-1-48
●電話 0185-45-3223
●URL http://miraku-nojo.ocnk.net/