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木肌のぬくもり社 須藤奈津子さん(八峰町)

活動のきっかけ

透かし彫り作業風景 八峰町にある「木肌のぬくもり社」では、天然秋田杉を活用し、様々な創作木工品を作っています。須藤さんがこの仕事をするきっかけになったのは、一人で木肌のぬくもり社を切り盛りしていた先代の父親が病気になったこと。病気から復帰した際に、「手伝ってみないか?」と声をかけられ、須藤さんは長女を出産後1年と少しという状況でしたが、入社することに決めました。
木に関しては全く無知だったという須藤さん。木の性質を覚えながらの製品作りは苦労の連続でしたが、元々細かい作業が好きだったことに加え、木の特徴、性質、色、匂いの違いなどすべてが新鮮で楽しく、すぐにのめり込んでいったそうです。
先代から直々に指導を受けながら3年間経った頃に、先代が再び病に倒れてしまい、須藤さんが事業を引き継ぐことになりました。

事業継承をしてから

賞状 須藤さんは事業を引き継いだときはまだまだ半人前だったと振り返ります。3人の子育ても抱えるなか、事業承継をすることに周囲の反対や葛藤もありましたが、家族の応援や、近所の方の声援のおかけで頑張れていると話す須藤さん。平成27年には、天然秋田杉の透かし彫りによる「常夜灯」で全国観光土産品連盟の日本専門店会連盟理事長賞と、全国商工会連合会むらおこし特産品コンテストで中小企業庁長官賞を受賞しました。
「現在は、制作はもちろん、電話・来客対応、経理、営業など全て一人で行っているため、時間のやりくりは大変です。会社では代表ですが、家に帰るとお母さんにならないといけない。子どもを迎えに行ってからは、なるべく仕事のことは考えないようにしている。両立をするためには切り替えが大事だ」と話してくれました。

子育てとの両立

旦那さんが代表となり、仲間たちと一緒に立ち上げた「HAPPO TURN」という団体では、地域に関わり、盛り上げていくために、地産地消を目指したイベントの開催などもしています。
「私は仕事をして、子育てをして、ちょっと団体を作ってやっているだけ。ほかの世の中のお母さんと変わらない」と須藤さんは話します。「難しいことを考えず、自分の生活や子ども、家庭を守るために精一杯。自分のやれることを精一杯やりたい」とも話してくれました。

受け継がれる想い

先代の写真 先代に質問をすると、必ず手を止めて丁寧に教えてくれたそうで、ある時「この木は何?」と質問したところ、「山に行ってみてみるか」と実際に山を回りながら木の性質を教えてくれたことなどもあるそうです。またある時は、一緒に木に穴をあけてみたり、色をつけてみたりと実験や遊びのような感覚で新製品が生まれたこともありました。「そうやって楽しみながら仕事をすることで、はじめはなにも知らなかった私が、職人になっていままでやって来れて、いまにつながっている。先代が亡くなるときに遺してくれた『大丈夫。どこにいても見守っているよ』という言葉が励みになっていると同時に、だからこそ先代の名に恥じないような製品をこれからも作り続けていきたい」と須藤さんは話してくれました。

木肌のぬくもり社

●秋田県山本郡八峰町八森字中浜136
●電話 0185-77-2236
●URL http://kihadano.com/