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福祉理容店「幸のとり」 村田薫さん(秋田市)

福祉理容店「幸のとり」村田薫さん

心配のいらない理容店

 医療器具や車いすを使用されている方や、認知症や障がいのために配慮や介助が必要な方への理容サービスを提供している村田薫さん。平成27年に福祉理容店「幸のとり」を開業しました。以前、歯科衛生士として歯科医院に勤務していたとき、そこで耳が聞こえにくい患者さんとコミュニケーションができるようになることの大切さを知り、特にお年寄りと接するのが楽しいと感じるようになりました。福祉施設に往診で行ったとき、隣で理容店が営業をしているのを目にし、「私は口をきれいにできる。理容店は髪をきれいにできる。ならば、私が髪を切れるようになったら、将来家族が介護を必要としても、自分が助けられる」と村田さんは思い、理容師の勉強も始め、通信教育で理容師免許を取得されました。その後、病院内の理容室で勤務するようになり、病棟の入院患者向けに理容サービスを行っていました。

 お店を開業するきっかけとなったのは、盛岡市に住んでいた認知症の父親が、自らタクシーで理容店に行き、髪を切ってもらうことを楽しみにしていたことでした。一人で行けるうちは良いのですが、周りの介助の手などが必要になってくると、理容店から敬遠される場合も考えられるので、そういった方でも心配のいらないお店を作りたかったと村田さんは話してくれました。

小さな幸せを届けるお店

福祉理容店「幸のとり」村田薫さん 店名の「幸のとり」の由来は、村田さんが鳥好きで、鳥にちなんだ名前にしたいと思ったことと、コウノトリは赤ちゃんを運んでくるという幸せなイメージがあるので、小さな幸せを届けられる、感じてもらえるお店にしたいと願い、この店名にしたとのこと。

 お店を開業し、良かったこととして「お客様の表情が少しずつ変わっていくプロセスを見られるところです」と村田さんは語ってくれます。お客様は、体が不自由であったりするため、頻繁に来店ができないため、とても楽しみに遊びに来る感じで来られるので、髪を切って、きれいになっていくと少しずつ笑顔になっていくそうです。

 一方、大変なこととして、腰が曲がったままで前屈みの姿勢しかとることができないお客様もいて、顔を剃ったりする場合、村田さん自身がやり方や体勢を調整して、少しでもお客様に苦労がないように考えながらやっているところだそうで、「まだまだ試行錯誤中」と話してくれました。

女性の活躍の場を提供できるお店

 これからの目標について、「『理容店に行きたいけど、ちょっと心配だ』という人や『足を骨折してしまったけど、理容店に行けるのだろうか』と不安に思う人に思い出してもらえるお店にしたい」。さらに「結婚や出産で一度仕事を離れた女性理容師で、子育てを経験し、福祉理容にも興味を持った人がいれば、ぜひ勉強しに来てほしい。そうすると女性の活躍の場を提供できるお店にもなっていくと思います」と村田さんは話してくれました。

福祉理容店「幸のとり」福祉理容店「幸のとり」

●住所 秋田市将軍野青山町15-22
●電話 018-807-0184
●HP http://kounotori.in.net/