消防職員意見発表全国大会で最優秀賞 新田理沙さん(角館消防署)
2016年3月14日
心肺蘇生法動画「すみません、誰か来てください」
消防職員意見発表全国大会で最優秀賞を受賞した心肺蘇生法の動画を制作したきっかけは、救命講習会に行った時に参加者から「隣で教えてもらえれば出来るけど、実際の現場で一人でやるとなると不安だ」という声が多くあったことを上司に相談したところ、他の署員も同じような話をしていたと教えてくれたことでした。
では、これを解決するにはどうしたらいいのかを皆で考えた時に、私が「観るだけで分かる動画を作ってみたらどうでしょうか?」と提案したことから、この動画を制作することになりました。
しかし、それまでこのような動画を作ったことが一度もなかったので、全てが試行錯誤の連続でした。制作期間3ヶ月あまりでなんとか完成し、中学生を対象とした講習会で使用したところ「わかりやすい」などの反響が得られ、苦労して作成して本当に良かったです。
どうしても消防士に
地域に密着した仕事がしたいと思っていました。いろいろな仕事がある中で、火災や救急の現場を見る機会があって、純粋にかっこいいなと思い、憧れを持つようになりました。
元々柔道をやっていたので、体力的な不安はありませんでしたが、実際に消防士になってみると、男性消防士との差を感じてしまう時もあります。でも、先輩や同僚の方々がしっかりとサポートしてくれるのでとても心強いです。
消防士になって良かったこと
人との関わりが広がったことです。秋田県大会で最優秀賞を受賞したこともあり、いろいろな人に声をかけてもらえるようになりました。事前の準備など本当に大変でしたが、意見発表大会に出場して良かったです。
これから女性消防士になりたい人へのメッセージとして、男社会でやっていけるか不安だと思いますが、女性だからこそ活躍できる場面が数多くあるので大丈夫です。ポイントは前向きにポジティブにやっていくことだと思います。
これからの目標
今回の経験を活かして救急救命士になり、定年までずっとこの仕事をしていきたいとも思っています。
それから動画についても、心肺蘇生法のガイドラインが5年毎に更新されるので、それに合わせて引き続き作っていきたいですし、AED編も作って欲しいとの要望もあるのでそれも作っていければと思います。
齋籐角館消防署長は「火災現場などは力仕事が多いけど、救急の現場で患者の対応など、やはり女性の力は必要。そういう意味でも早く救急救命士の資格をとって、これからさらに活躍して欲しい」と話されていました。
角館消防署
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