北日本コンピューターサービス株式会社(秋田市)
2018年3月26日
働きやすい職場環境への取組
自治体向けのシステム開発等を行っている北日本コンピューターサービス株式会社では、平成30年2月現在で男性193名、女性60名の社員が働いています。同社では、新卒採用が難しくなる中、既存社員が長く働き続けられる環境を作ろうと、法改正や社会情勢の流れに合わせ、ワーク・ライフ・バランスに配慮した働きやすい職場環境づくりを推進しています。
例えば、出産を機に退職した場合でもパート社員として復職でき、その後、希望があれば正社員として働ける制度があります。この制度を利用して、これまで3名の方が正社員になっているとのことです。
その他、「ノー残業デー」はずいぶん前から取り組んでいましたが、スローガンだけの取組では個人任せになってしまうので、強制的にパソコンを使えない状況を会社側で作ることにしました。キャリアサポート部部長代理の吉田義一さんは「少し乱暴なやり方ではありましたが、今では毎週水曜日の定時退社日が定着してきたと感じます」と話してくれました。(同社は、日曜日についても同様にして出勤禁止にしているとのことです)
さらに、過重労働防止のセミナーを開催するなどにより社員の意識改革を進め、残業時間低減や有休取得日数も改善しました。平均残業時間は月28時間から月18時間に減少、有休取得日数は平均12日から平均13日にアップしたそうです。
一般的に日本人は有休取得に罪悪感があると諸外国から言われています。同社では、取得しやすい雰囲気づくりに「長期休暇制度」が功を奏しているそうです。会社から3日間の特別休暇を支給し、それに2日間の年次有給休暇を加え、1週間連続して休める制度(土日を挟むので少なくとも9日間の休暇)です。社員本人の希望する時期に取得ができるので、子どもの長期休みや帰省に合わせて利用する社員が増え、90%を超える取得率になっているそうです。
平成29年11月には様々な取組が評価され、秋田労働局長より「働き方改革」のベストプラクティス企業に選ばれています。
女性の活躍推進に向けた取組
法律で定められている産休、育休に加え、平成29年度からは育休明けの短時間勤務を社員が取得しやすいよう、きめ細かい配慮をしているそうです。現在、短時間勤務をしている福祉ソリューション部の平原貴子さんは「短時間勤務は、これまで子どもが3歳になるまでの制度でしたが、小学校3年生になるまで引き延ばしていただきました。子育てにはどうしても時間がかかるので、これはありがたかったです」と語ってくれました。
この他にもどうしても間に合わない仕事はチームのみんながサポートしてくれたり、仮に出張があっても夜遅く帰ってくることのないよう配慮してもらったりなど、会社全体でサポートする雰囲気があるそうです。
今後の取組
年1回、社長に社員の声をまとめて届ける仕組みがあり、そこから社員の意見や要望を吸い上げ、時間単位での有給休暇制度やテレワーク制度の準備を進めているとのことです。このような取組の推進には経営トップの理解が大きく、毎週全社員に対してメールによるメッセージを送っていて、それが社員の意識改革にもつながっているそうです。
吉田さんは「働きやすい職場環境づくりを進めるうえで、社員同士が協力して仕事を進める企業風土は欠かせません。制度改善にあたっては、多様な意見に耳を傾け、少しでも働きやすい職場となるよう、進めていきたいです」と語ってくれました。
北日本コンピューターサービス株式会社
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