岡村動物プロダクション 岡村裕美さん
2017年6月16日
移動動物園
埼玉県出身の岡村裕美さんが、夫の淳市さんと岡村動物プロダクションを秋田市に立ち上げたのは平成23年9月。動物プロダクションは東北では珍しく、現在50~60種くらいの生き物がいます。仕事内容は、イベント会場に行き、ウサギやモルモットを触ってもらったり、カピバラの餌やり体験、鷹匠体験、犬のステージ、鷹のふれあいフライトなどの移動動物園のほか、老犬を預かったり、小動物や爬虫類のペットホテルなども行っています。
これまで県外、県内でいろんな動物園、水族館に勤めてきた二人が動物プロダクションを始めたきっかけについて、裕美さんは「私たちの出身地の関東には動物園や水族館がたくさんあるのに、秋田県には動物園、水族館が1ヶ所ずつしかなく、特に県北、県南の子どもたちは動物を見たり、触れ合える機会があまりないことを知りました。親や学校の先生から、遠くてなかなか行けないという話を聞き、ならば自分たちで規模が小さくても良いので立ち上げようと思ったのがきっかけです」と話してくれました。
子どもの頃から動物好き
ずっと動物と関われる仕事に就きたいと思っていた裕美さん。動物関係の専門学校に進み、卒業後、関東にある水族館に就職することができました。その後もいろんな人たちとの繋がりにも恵まれ、いくつかの動物園、水族館でキャリアを積むことができたそうです。そんな中、仕事を通じて知り合った淳市さんと結婚し、淳市さんの秋田への就職をきっかけに二人で秋田に移り住み、動物園、水族館で勤務された後、独立しました。
「移動動物園の仕事をするようになって大変だったことはたくさんあります」と裕美さん。長年、動物に関わる仕事をしてきたのですが、相手が動物なので何をするにも時間が読めなく、思った通りに動いてくれないので、毎日が時間との闘いだそうです。基本的に出発の3時間前に起床しますが、目的地によって起床時間も異なるため、不規則な生活となってしまいます。また、二人だけでやっているので、一人が体調を崩してしまうともう一人が全てのことをしないといけないため、日頃の体調管理にはとても気を遣っていて、二人で役割分担をしてサポートし合いながら取り組んでいるそうです。「お互いのやり方を尊重し合いながら取り組むのがポイントです」と裕美さんは話してくれました。
これから目指すところ
動物園や水族館までとはいかなくても、こじんまりと水辺の生物からカピバラくらいまでを触ったり、餌をあげたりできるようにして、いつ来ても動物を観てもらえるような環境を作りたいそうです。さらに裕美さんは「大仙市中仙地区で有名なジャンボうさぎの飼育にも、難しいのですがチャレンジしてみたい」とも語ってくれました。
好きなことを仕事にしたい人たちへ
「私は子どもの頃にモルモットを20匹も飼っていました。他の友達と比べると変わっていましたが、自分が好きなことだったので、周りのことは気にせず、毎日2時間くらいモルモットの世話をして過ごしていました」と裕美さんは話します。さらに勉強することも大切だと話され、専門学校で一生懸命に勉強したことが今でも活かされているそうです。
最後に淳市さんにパートナーとしての裕美さんについて聞くと「何でもできる人。知識だけを持っている人はいますが、動物を繁殖させるところまで育てることは素質がないとできません。とても頼りになるパートナーです」と話してくれました。
岡村動物プロダクション
●秋田市下新城中野字前谷地243-2
●電話 018-873-5891
●HP http://animobil.sakura.ne.jp/