あきた芸術劇場「ミルハス」で開催した海外バレエ公演=『ジョージア国立バレエ』 ~あきた未来戦略課・交流推進員~
クリスマス時期に合わせて12月に日本全国ツアーを行っている『ジョージア国立バレエ』が、12月7日(土)秋田芸術劇場「ミルハス」で公演を行ったので鑑賞してきました。
演目はクリスマスにふさわしい「くるみ割り人形」、しかもその主役・“くるみ割り人形”を演じるのが秋田県湯沢市出身の「細谷海斗」さんとあって、チケットはほぼ完売!細谷さんが演じた役では高い跳躍と細やかな踊りの表現が素晴らしく、カーテンコールはスタンディングオベーションとなって感動的な一日でした。
(秋田公演カーテンコール)
ジョージア国立バレエは、以前は国が旧ソビエト連邦の一国だったので「グルジア国立バレエ」と呼称して日本で数回ツアーを行っていますが、今回は全国13箇所・全19公演という引っ越し公演ともいえる規模で、秋田はその3番目の公演です。
(招聘元・光藍社提供、くるみ割り人形のシーン)
このバレエ団、芸術監督はジョージアの至宝といわれる『ニーナ・アナニアシヴィリ』さん。バレエファンには圧倒的人気と実力で今でも伝説として語り継がれる存在。現役だった2004年芸術監督に就任して、それから20年あまりあらゆる芸術上、運営上の改革を続けて世界屈指のバレエ団に成長させた世界的スターです。芸術監督就任20周年記念・12年ぶりの来日公演として、今回の「くるみ割り人形」の演出は特にジョージア伝統の衣装やステージ構成に力を入れたもので、ジョージア色満載の素晴らしい緞帳も持ち込むという意気込みでした。
(招聘元・光藍社提供:芸術監督ニーナ・アナニアシヴィリさん、筆者撮影:細谷海斗さん)
細谷さんはバレエの国ロシアで学び、2022年にこのジョージア国立バレエに入団、現在最高位のリーディング・ソリストとして活躍中、こんな華のある男性バレエダンサー(しかも秋田県湯沢市出身!)が世界で活躍しているなんてうれしい限りですね。今回の日本公演では複数の公演で主役・“くるみ割り人形”を演じるようなので、最寄りの会場で公演がある方は是非ともその目で確認・応援をされてはいかがでしょうか。
☆「ジョージア国立バレエ」来日公演・案内ページ(招聘元:光藍社)
https://www.koransha.com/ballet/georgia/
(光藍社提供・ジョージア国立バレエ公演の緞帳)
さて、このバレエ団の芸術監督である『ニーナ・アナニアシヴィリ』さんは、私にとっても今でもその演技が目に浮かぶ伝説のバレリーナです。残念ながら今回の秋田公演には同行しておらず会えずじまいでしたが、私はこれまで10回近くの様々な公演に足を運んでおり、ジョージア国立バレエは過去2回鑑賞、12年前の前回公演でいただいたニーナさんのサインは大切な宝物です。
(ジョージア国立バレエ2007年・2012年パンフレットとニーナさんのサイン)
そして忘れられない公演としてはニーナさんの名を冠した『FINAL CLASSICAL GALA』2014年、当時の招聘元ジャパンアーツ創立40周年記念公演の『ALL STAR BALLET GALA』があります。
ニーナさんのバレエは清楚で高貴かつ華麗な踊りと輝く笑顔、性格も明るくてそれが踊りにも如実に反映されているのが特徴。様々な話題になった役の中でも特に強い印象だったのが、左パンフレット画像「ドン・キホーテ」キトリと「白鳥の湖」オデット/オディール、そして「レ・シルフィード」等の役。ニーナさんが主役を踊るそれらの演目を鑑賞できた経験は、生涯忘れられない芸術体験となっています。