夏の甲子園 金農旋風再来ならず
夏の甲子園 金農旋風再来ならず
8月6日(水)、夏の甲子園2年連続8度目の出場となった金足農は、沖縄代表の沖縄尚学と対戦した。近畿秋田県人会は40名ほどがアルプス応援席で声援を送った。
試合は緊迫した投手戦となった。6回まで3投手が相手打線を無安打に封じて終盤勝負に。
5回途中から代わったエースの吉田大輝投手が、7回にヒット3本を集められ手痛い1点を失った。
攻撃は相手エース左腕に14三振と抑え込まれた。終盤に何かを起こしてくれると期待したが、最後まで攻略できず、0-1で惜敗した。
試合前に中泉監督が、「失点をなんとか2点以内に抑えて、少ないチャンスをものにしたい」と話していた。
ヒットの数は、金足農3本に沖縄尚学4本。プランどおりの試合展開だったが、少ないチャンスを生かしたのは相手の方だった。1点もやりたくない展開でエースに託してから失点、相手の対策が上回った。
昨年、2018年の金農旋風以来6年ぶり甲子園出場は、地元にとってもビッグニュースだったが初戦敗退。
2年連続出場を果たしたこの夏、昨年もエースだった吉田大輝投手はじめ準優勝メンバーの弟が5人もいるこのチーム。選手は自分たちを鼓舞するかのように再び金農旋風を巻き起こすと公言してきた。
しかしながら、今回も勝利をつかむことができず、2018年当時のメンバーがいかに偉大だったかを改めて思い知る結果となった。
あの奇跡的な快進撃から7年、当時の感動は今も地元出身者の心に息づいている。
地元だけでなく全国を熱狂させた大躍進は、100年に一度とも言われたが、周囲は金農旋風再来、新たな物語を期待する。大きな期待を背負って重圧もあるかもしれないが、持ち味の粘り強さを生かした雑草魂で、またいつか全国を沸かせてほしい。
今年のメンバーは、先発で好投した斎藤遼夢投手を含めて2年生が多く、早くも3年連続出場に期待がかかる。
この夏の甲子園は、暑さ対策で試合時間に2部制が導入され、金足農の試合開始は16時15分。
一塁側アルプス席は西日を避けられ、途中から風が吹き抜けるなど応援時に暑さは気にならなかった。
試合時間が1時間40分と引き締まった接戦の展開に、敗れはしたものの純粋に応援を楽しむことができたと思う。
試合後は球場近くの居酒屋に集合して残念会を開き、高校野球談議に花を咲かせたのだった。
(佐藤 真)