104歳、大雄会にこの人あり! ~小野安之助さん~
「この前の総会には日付を間違えて行けなかったよ」 と、茶目っ気たっぷりに笑う小野安之助さんは、大正4年生まれ、御年104歳! 東京大雄会の立役者であり、第4代会長も務めてこられました。
尋常高等小学校を卒業後、電気関係の学校へ進学するために当時の阿気村(あげむら)から上京してきました。米一俵が4円の時代に、田舎からは月20円の仕送りを受けていましたが、それでも小遣いなどない生活。とにかく寂しくて寂しくて、勉強をしてもなかなか頭に入らなかったそうです。
29歳で召集され、もうだめだと思ったこともあったそうですが、帰国後は電気工事士の資格を活かし、戦後の貧しい中を必死で働いてきました。
東映の撮影所に勤務していた時にはご自身で照明の勉強をし、部下に教えるまでになりました。面倒見の良い小野さんの自宅には、職場の人たちがよく来ていたそうですが、 「当時はいろんな動物が出て、秋田より田舎だった」 と大笑いです。
そして世の中が少しずつ豊かになってきた頃、阿気村出身者で交流が始まり、大雄会の前身である「阿気会」ができました。後に村が合併し東京大雄会が発足しましたが、出身地が異なる人たちをまとめるのは、なかなか一筋縄ではいかなかったようです。
それでも小野さんは、陰でずっと会を支えてきました。会長就任後も「夢中で一生懸命に務めただけ」とおっしゃいますが、任期中には約200名もの会員を集めたそうです。 「これには誰もかないません」 と、現会長もきっぱり。
小野さんが色々なことを乗り越えることができたのは「運が良かったから」と謙遜しますが、常に前向きに努力を重ね、人を大切にしてきたからなのでしょう。会長を辞した現在でも、大雄会の総会では、小野さんをステージにあげて盛り上げてくれるのだそうです。
ところで、やっぱり気になるのがお元気の秘訣。 食事は好き嫌いなく召し上がり、特にお肉が大好きで、晩酌も欠かさないのだとか。 「近所を歩いていても、皆さん、声をかけてくれるんですよ」 と、同郷の奥様も嬉しそうです。小野さんの笑顔を見ると、そのお元気にあやかりたくなるのもうなずけます。
これからも、益々お元気でご活躍されますようお祈りしています。