第154次~第156次調査の結果は次のとおりです。
- 大溝跡の西端は、真山と長森の間を南北に流れる河川に接続し、掘削当初は開口している。
- 大溝跡と小河川跡の接続部の対岸には、大溝を掘削した際の粘土が再堆積している。
- 創建期の竪穴建物跡を検出した。カマドはない。
- 竪穴建物跡が洪水堆積物の粘土層で半分ほど埋まったくぼ地で地床炉が2か所に形成され、周辺に多くの遺物が散布している。
- 竪穴建物跡の出土遺物は、須恵器坏・甕、土師器坏・甕が主で、丸瓦・平瓦、砥石もある。
- 焼土遺構は一辺約90cmの隅丸方形で、深さ約20cmの浅い土坑内で火を焚いたもので、埋土下部には炭化物層が厚く堆積する。
- 焼土遺構底面で、内部が炭化していないクリ材が出土。9世紀前葉の須恵器坏も出土。
- 竪穴建物跡、焼土遺構ともに、創建期の外郭西門などの木工に関係する遺構の可能性がある。
- 外柵が消失した9世紀中葉以降は、利用が低調な区域であった。
第154~156次調査位置図
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第154~156次調査遺構配置図
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