中山人形

横手市

 中山人形は横手市で生産されている県指定の伝統的工芸品です。

 地元では縁起物や玩具として家庭に飾られてきましたが、昭和54年に羊の土鈴が年賀切手の図案として採用されたことから、全国に知られるようになりました。現在は、その丸っこい形や鮮やかな色合いが評判となっており、横手の代表的な人形として親しまれています。

歴史・特徴

 中山人形は、明治中頃に横手市の中山窯で、樋渡ヨシによって作られたのが始まりとされています。当初の中山人形は、横手市に古くから伝わる「押し絵」や「串姉っこ(姉様人形)」等を参考にしていたため、3月の節句向けの雛人形や歌舞伎物が多くありました。

 その後、かまくら・竿灯・ぼんでん・秋田犬等の秋田をテーマにしたものや、動物を題材にした干支土鈴が製作されるようになっていきました。

 現在、中山人形は節句物・縁起物・歌舞伎物など200種類以上作られております。色彩には赤・黄・緑・黒の原色が効果的に使われおり、描彩は精緻で明るく、優雅に感じられるのが特徴です。

技術・職人の技

 中山人形を作製するにあたっては、あらかじめ石膏で作っておいた型に粘土を詰めて型抜きをした後、合わせ目を削って成形します。成形した人形は乾燥させ、釜で数時間焼き上げ、焼成した人形に色づけを重ねていきます。

 色づけは、焼き上がった人形の表面を滑らかにする「下地作り」、一旦人形全体を白く塗る「地塗り」、人形に顔や模様を描く「彩色」の順で行っています。特に、「地塗り」の回数を人形の大きさや模様によって変えたり、朱・群青といった顔料や金粉を図柄に合わせて用いることで人形の鮮やかさを出しています。
 

産地の取組など

 公民館での絵付け体験等を通し、中山人形普及・啓発を行っています。

 また、作品は秋田県内の土産物店の他、県外の工芸店や郷土玩具店で販売されています。

工房・産地紹介

□ 樋渡人形店
〒013-0049 横手市駅西2-3-10
電話 0182-32-1560