曲木家具
湯沢市(曲木家具)
湯沢市で製作されている、木材を曲げることで作り出される家具です。
多くの有名デザイナーとコラボしたり、数々の賞を受賞したりするなど、非常に評価の高い工芸品です。
明治30年代、ヨーロッパで生産された曲木椅子の輸入が増えていたころ、国内においても近代産業の確立を目指して国産の曲木家具の製造を始めるようになりました。これを受けて明治43年(1910年)に、曲木に適したブナやナラが豊富にあった湯沢市に秋田曲木製作所(現在の秋田木工株式会社)が設立されました。
現在、国内で製造されている曲木家具には薄くスライスした木材を重ねて曲げる成型合板によるものと、無垢材(天然の木を加工せずそのまま使用した木材)を高温の蒸気で蒸して曲げるものがあります。
曲木家具を作る工房は日本に数社あるものの、無垢材をひねりあげる立体的な曲木を専門とするのは秋田木工だけです。
この秋田木工独自の製法によって、木目の曲線で描かれた美しいデザイン性と、軽くて丈夫な機能性を持ち合わせた曲木家具ならではの魅力が生まれます。
高温で蒸した木材はすぐに乾燥して固くなってしまうため、5分以内で一気に仕上げる必要があります。デザインによっては曲げるだけでなく、ひねりも加える複雑な加工が必要となる場合があります。そのためには、木目によって微妙な力加減をしたり、曲げるスピードを調整したりする必要があり、職人の培われた経験と技術がこれを可能なものとしています。
その他にも、木材を削り出し、細かなキズやわずかなへこみを修正する「切削」や職人が手のひらで感触を確かめながら表面を滑らかにしていく「研磨」など、全ての工程が熟練した職人の技で行われるため、高い完成度を誇ります。
湯沢市の秋田木工株式会社で製造が行われています。
秋田木工の曲木チェアはJR秋田駅の待合ラウンジの椅子にも採用されています。秋田駅を訪れた際は是非座ってみてください。