払田柵跡の中からは、さまざまな遺物が出土する。 最も多いのは素焼きの土器類で、これには須恵器と土師器がある。
須恵器は登り窯を用い、1,200℃前後の高温で還元焼成されたもので、灰色で硬い。
土師器はそれよりも低い温度で800℃ほどの酸化炎で焼かれ、赤褐色や黄褐色で軟質である。
そのほか、釉薬のかかった灰釉陶器、緑釉陶器も極めて少量ながら出土している。
須恵器坏
用途によって様々な形態があり、食器としては杯・皿・高杯など、貯蔵するための甕・壷、煮炊きに使う甕などがある。
これらは竪穴住居のほか、土坑の中に一括して廃棄した状態で出土したり、単独で屋外から出土したりもする。
住居のカマドの支脚として、小型の甕を使う場合もある。
土師器甕
まとまって出土した土器