遺跡は現在、水田が約6割、山林・原野が約3割を占めている。
真山・長森の丘陵地はほとんどが公有地で、その裾部や低地内が宅地として利用されている。
美郷町と大仙市を結ぶ県道大曲田沢湖線が、外柵の南西部をかすめて東西に通っている。
真山には多くの桜が植樹されて、例年ゴールデンウィーク頃が見頃となる。
頂上には高梨神社が鎮座し、南麓に国指定名勝旧池田氏庭園を構成する払田分家庭園がある。
旧池田氏庭園も公有化され、毎年11月上旬ころになると、もみじ、ナラ、ドウダンなどの木々が見事な紅葉を見せてくれる。
真山は中世に城館として利用されており、その縄張りの跡も地表から見ることができる。
真山の桜
外郭の区画施設のうち築地土塀は、長森の東端に最もよく残されている。
これに連続する材木塀は、現在使用されている水田の水路の中に露出している箇所もある。
水路中の材木塀
発掘調査の成果に基づいて、政庁、外柵東門と西門、外郭南門と石塁が保存整備され、活用が図られている。
また、外柵南門から外郭南門へ至る低地では、平成3年から「ふるさと歴史の広場」事業による整備が行われ、外柵南門と材木塀、南大路や橋、建物などを復元したほか、ガイダンス施設として「大仙市払田柵跡総合案内所」も完成して公開されている。
さらに、政庁の東側の官衙群の建物や、西側の工房群の表示、政庁と外郭東門・西門を結ぶ通路も整備が進められた。
北部の水田も公有化が進み、近年は、外郭北門の表面表示や政庁までの間の木道なども復元されており、長森を囲む外郭域全体を散策することができるようになっている。