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語りを聞く

根子自治会 会長 (平成21年度) 佐藤正俊さん

画像:根子自治会 会長 (平成21年度) 佐藤正俊さん

-根子の三つの財産を守りたい-

 生まれ育った土地に深い思い入れを持つ佐藤さんですが、教員生活に入ったこともあり、長く実家を離れていました。1975年の「根子トンネル」開通以前は、通勤することが難しかったためです。
それでも、故郷の映像は鮮明に浮かんできます。すり鉢型をした集落に漂う朝モヤ、煙突からの炊煙、堆肥を覆うワラが上げる湯気――、それが佐藤さんにとっての原風景でした。

 頭の中の情景には、いつもお囃子の響きが伴われています。“武士舞い”とも呼ばれる根子番楽の勇壮な音曲も、母の鼓動のように馴染んだリズム、気持ちを落ち着かせてくれるものです。
先祖が受け継いできたマタギ文化、その名残を自身の中にも認めるたびに、故郷は強く意識されました。
根子では、佐藤さんを育んだあらゆるものが、調和した形で存在していると言います。集落そのものに、母胎のような懐かしい印象を持ち続けていました。

 佐藤さんが根子に定住することになったのは20年前。選択肢はありましたが、帰郷を望みました。現在は「あきたリフレッシュ学園」にお勤めをしながら、美しい景観と、緩やかに流れる時間を楽しんでいます。
 
自治会長としては、集落の“今ある姿”を残すことを取り組みの第一に定めていました。佐藤さんがそうであったように、外で働く出身者が戻った時、「おかえり」と、いつでも迎え入れられる場所でありたいという願いがあります。
「限界集落」と呼ばれるのが嫌いで、「元気集落」だと胸を張ってきました。故郷を守るには、各年代の住民がそれぞれの特性を発揮すること、外部からの意見を取り入れることが必要だと考えています。
菜の花の季節、一面の黄色を背景にした番楽公演の構想をあたためている佐藤さん、訪れる見物客と帰省者の賑わいの中から、「元気集落」への手がかりをつかもうとしていました。

                                 2010年4月掲載
 
 
 

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