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食を楽しむ

幸坂美貴子さんの「干し餅」

画像:幸坂美貴子さんの「干し餅」

 干し餅は厳冬期に作る、秋田の伝統的な保存食のお菓子です。
昔は餅を軒下に吊るす光景がよく見られました。しかし、干し餅を作る家は年々少なくなり、現在は大館市の山田地域でも数えられるほどしかありません。山田の干し餅名人のひとり、幸坂美貴子さんは、機械に頼らず、昔ながらの工程で作っています。

 
 干し餅はまずお餅作りから始めます。つきたての餅に砂糖、塩と、各種野菜を加えて木枠に詰め、包丁が入る程度に固まるまで一晩乾燥させます。そして餅を切りわけ、ひもで編んで一度水につけたあと昼夜の寒暖の差を利用して冷凍乾燥させます。
 これが「寒締め」という作業です。水分が抜けきるには一か月近くかかるそうです。「しばれ(寒さ)がないと、”さわさわじく”なる。」寒さの厳しい時期に冷凍乾燥させないと、数日経ったお供え物の餅のように中から亀裂が入り、失敗してしまいます。
 
山田の干し餅づくり名人
 
 美貴子さんのお宅を訪れた時、蔵では冷凍乾燥作業が行われていました。部屋一面を埋めつくす干し餅はまるでカーテンのようです。カラフルな色合いは、カボチャ、ゴマ、シソなどの自然の野菜の色です。素材から加工まで、生粋の山田育ちで、砂糖と野菜の甘さが餅の風味を引き出し、素朴な味わいが後を引くおいしさです。そのまま食べても、また焼いたり揚げたりしても、パリパリとした食感を楽しめます。
 
 
平成23(2011)年4月掲載

 

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