地域おこし協力隊が発見した「幻の干し餅」

 2月の季語である「初花月(はつはなつき)」を名前に持つこの干し餅、一般的な四角い干し餅とは全く違う形をした干し餅です。

月のような形はその独特の製法にあります。よくある型枠に入れる製法ではなく簾(すだれ)を使う事で、この形が出来上がります。 
 また、形だけでなくその味も特徴的。他の干し餅よりも甘みがしっかりと感じられ、サクッとした食感と相まって、お茶受けにぴったりです。
 
 地域おこし協力隊の林孝行さんが暮らす大館市大葛地域の「森越集落」。ここに住む佐藤弘子さんが、ひっそりと製法を守ってきました。この干し餅を林さんが発見したのは平成22(2010)年の冬のこと。林さんの提案もあり、弘前市「野市里(のいちご)」主催の「我が家干し餅自慢大会」への出場が決まります。初出場にもかかわらず高評価をもらい、3位入賞を果たしました。
 
 その後、地元有志の手により「初花月の会」が結成され、本格的な生産が始まりました。使っている材料は他の干し餅と変わりませんが、独特の甘みや食感は一朝一夕ではまねできません。
 
 佐藤弘子さんの経験と勘を頼りに作られる干し餅は大葛地域だけの味。平成24(2012)年に行われた大館市のイベント「比内とりの市」や「アメッコ市」で販売され、大好評を博しました。
 
平成23(2011)年4月掲載

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