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歴史を知る

根子児童館とほうびき遊び

画像:根子児童館とほうびき遊び

 

 「どっぷ!」。
 週に一度、雪が降り積もる根子児童館の中で、こんな声が飛び交います。金曜日は特別な日、婦人会のメンバーを中心に集まって、ゲームに興じたり、談笑にふけったりするのです。
 メイン・イベントは「ほうびき遊び」。“ひもくじ”の一種ですが、巧みな演出でこれがなかなか盛り上がります。
 1.5mほどのひもの先に“どっぷ”が結わえられたものを引き当てれば一勝。“どっぷ”とは“アタリ”のことで、5円玉の穴を通して数十枚分も束ねた環をそう呼びます。
 一人が“親”になって、人数分のひもを一握りにして操り、そのほかは“子”となって、投げ出されたひもの中からそれぞれ一本を選び取るのがこの遊び――。
 「ぱっぱのぱっと!」。
 “親”は用心深く両端を揃えたひもを背負い上げ、“子”に引かせる方を勢いよく前に叩きつけます。待ち構えている側はそれを一斉につかみますが、“親”はまだ、結果の先を片手に巻きつけたままです。
 ここからが「ほうびき遊び」の醍醐味!“親”は鮮やかな手さばきで“ハズレ”のひもから放していき、少しずつ人数をふるい落とします。
 「どー!どー!どー!どー!」、「きたど!きたど!」。
 “どっぷ”の重量を確かめようとする“子”たちと、悟らせまいとする“親”とが、激しく引っ張り合うので思わず声も大きくなります。
 男性の参加者は、お母さんたちの勢いに圧され気味の様子・・・。冬期の家を預かる根子の女性は強いのです!昔“旅マタギ”、今“出稼ぎ”――、旦那さんが不在の間は雪掻きの重労働もやってのけます。
 毎回の出席率はかなりのものとか。持ち寄った手料理をつまみながら、夢中になって過ごしています。顔を合わせる楽しさはもちろんですが、長い留守番がちょっと寂しいのかもしれません。待ち遠しいのは春です――。
 雪解けの頃、「根子トンネル」が通る八千葉山を「飽きずに眺めている」と、婦人会の佐藤けい子さんは言っています。
 まだ、山肌を覆う白いじゅうたんに、福寿草の黄色い花が顔を出すのを探すためでした。次には水仙、そして桃の花と、順番に咲くのが心を浮き立たせるそうです。
 景色の微妙な変化から、季節の移ろいを感じられる暮らしがここにはありました。
 根子児童館にはマタギ資料が展示され、番楽保存会の稽古も行われています。「根子トンネル」を抜けたら児童館を見つけてください。冬の金曜日なら、元気なお母さんたちに会えますよ。
 
                                 2010年4月掲載

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