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風土を楽しむ

松館天満宮 例大祭

画像:松館天満宮 例大祭

 松館で最も大きなお祭りは、4月25日、集落のシンボルでもある松館天満宮で行われる、盛大な、しかも古の息吹を今に伝えるお祭りです。

 前日、24日の宵宮から松館に祭りの幟が翻ります。大鳥居の横にそれに負けない大きな旗が一対、春風になびいています。しかも、ここ松館では、もう一か所、旗の立てられる家があります。

 松館天満宮の宮司を代々務める桜田さんの家の門、ここにも旗がはためいています。祭りは、この桜田さんの家から始まります。

 4月24日夕方、夕日が三ノ岳(さんのだけ)に沈んだ頃、「松館天満宮舞楽保存会」の舞い手とお囃子のみなさんが、宮司の桜田さんの家へと集まります。この日は、桜田さんの家で舞いを納める儀式が行われます。厳粛な式の後、大きな神棚の前で、権現舞が奉納されるのです。蛇体を模した衣をまとった獅子頭が身体を大きくくねらせて舞いを奉納します。その後、直会(なおらい、神前での食事会)の後は、地域の皆さんが集まって、松館改善センターでの楽しい天神様フェスティバル、遅くまで宵宮の夜は楽しく更けていきます。

 翌25日朝、境内には、神楽を見ようとたくさんの参拝客が詰め掛け、また、近隣の保育園児たちも獅子の霊力を授かろうと参拝に訪れます。境内の一角には四方を注連縄で囲まれた祭場が設けられ、ひとかかえもある釜が据えられ、中では湯が激しく煮え立ち湯気を上げます。

 お囃子の響く中、桜田さんの家を出発した権現舞の舞い手さんや、氏子代表の方々は、1kmほどの道のりを「渡御の曲」を奏でながら賑やかに、しかし厳粛な空気の中歩いて境内に入ってきます。

 社殿の中での神事の後、大太鼓が打ち鳴らされる中、お囃子の方たちが祭場の横に並び、いよいよ神楽の奉納が始まります。神楽は「松館天満宮三台山獅子大権現舞」と呼ばれ、神霊に様々な祈願をする舞いが次々と納められます。このとき、マイクでそれぞれの舞いを解説してくれるので、舞いの意味を理解しながら鑑賞できるのも、松館の権現舞のちょっとしたポイントになっています。

 中でも圧巻なのは「湯立て神事」飛び散る熱湯は参拝者にも容赦なく振りかかります! ご利益満点なので被ってみましょう! でも火傷に注意!? 注:でも、火傷はしないと言い伝えられています。

 また、湯立神事の最中、境内では権現舞を舞った獅子による霊力授与が行われます。
このためにわざわざ付近の保育園の子どもたちが勢ぞろい、仲良く並んで獅子頭に噛んでもらいます。「風邪をひかないように」「頭がよくなるように」と優しく声をかけながら噛むせいか、怖がる子どもはあまりいません。昔は全力ダッシュで逃げ去り、大鳥居まで逃げ切った元気な子もいたとか。

 さて、最後に権現舞で手に入れたらラッキーなお守り? をご紹介します。それは獅子頭の髪の毛、踊った後に落ちているものは、神棚にあげておくとよいそうです。湯立てで使われた笹は、昔は牛馬に食べさせていましたが、今は牛馬の代わり、車なんかにお供えするといいみたいです。また、神事の時に四方に張られた注連縄の紙垂もご利益があり、神楽が終わると、参拝客のみなさんは一斉に持って行ってしまいます。

 松館集落だけでなく近隣からもたくさんの参拝客が訪れるお祭りは、ごく自然体で古の伝統を今に伝えていました。

 祭りが終わると、集落は春本番、田植えの季節を迎えます。

【関連リンク】
奉納神楽「松館天満宮三台山獅子大権現舞」(元気ムラサイト記事)
松館天満宮 宵宮・フェスティバルリポート(2011年4月掲載)
松館天満宮 例大祭リポート(2011年4月掲載)

秋田民俗芸能アーカイブスでは、松館天満宮 三台山獅子大権現舞の動画を閲覧することができます。この機会に、ぜひご覧ください。
●秋田民俗芸能アーカイブス「松館天満宮 三台山獅子大権現舞
 

2011年4月掲載

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