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歴史を知る

数珠(じゅず)まわし

画像:数珠(じゅず)まわし

 

  大勢で大きな数珠を回し念仏を唱える、「百万遍念仏」としてよく知られる行事です。秋田県内各地で行われており、呼び方や日取り、しきたりが地域ごとに大きく違いますが、ここ三ツ矢沢の下新田・中新田の両集落でも行われています。
 
 三ツ矢沢では「数珠まわし」または「念仏まわし」と呼んでいます。数珠まわしは女性のみが参加できるお祭りで、毎年春彼岸と秋彼岸の年2回開催され、集落の中で参加できる女性たちは全員参加します。
 
 数珠まわしは両集落とも、それぞれの集落の端から始めます。集落の一軒一軒を回り、各家の前で数珠を回します。その時唱えるのが「ご祈祷念仏」。昭和初期生まれの世代は「極土(ごくど)念仏」と呼んでいます。
 
 「なのか(七日)の ほとけの おんために~ 水あげ 花立て 香ともす~ なむあみだぶつ~ なむあみだ~」
 
 節回しをつけて、歌うように唱えます。真ん中に立つ女性は鉦(かね)を叩いて拍子をとります。1日から始めて2日、3日と日付の部分だけ歌詞を変えて、31日まで唱えます。だんだん数がわからなくなるため、お皿に豆を入れて数を確認しながら行います。
 
 全ての家を回ったら「回り宿」と呼ばれる、その時の当番の家の中で回して終了です。女性たちは終了後に町内会館で食事会を開きます。かつては「回り宿」の家で食事会を開き、数珠の保管もしていました。「回り宿」は春・秋の彼岸の「数珠まわし」のたびに、一軒ずつお隣へ巡っていきます。
 
 さて、三ツ矢沢で少し変わっているのが、葬儀の終わった夜、仏壇の前で数珠まわしを行うことです。この時は男女関係なく参加し、亡くなった方の供養をします。下新田では住民の死後、葬儀の日から初七日(しょなのか)までは男女問わず住民が集まって毎日数珠をまわします。さらに死後14日目(二七日(ふたなのか))、21日目(三七日(みなのか))、35日目(五七日(いつなのか))にもまわします。三ツ矢沢の数珠まわしは「魔除け・厄病除け」に加え、「先祖供養」の意味合いも強いようです。 
 さらに魔除け・疫病除けを目的に、以前は集落の出口2ヶ所にしめ縄を張り、にんにくや南蛮(唐辛子)、を吊していました。中新田では、今も魔除けにバラのツルを張っています。
 
 女性たちが主役の「数珠まわし」は、地域の人たちが顔を合わせる大切な機会でもあります。
 
【産地直送ブログ】
2013年6月掲載

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