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語りを聞く

末広町町内会長 高橋征悦さん

画像:末広町町内会長 高橋征悦さん

 末広町が位置する岩崎地域は、古くから城下町として栄え、明治初期には岩崎県が置かれた歴史ある地域です。岩崎地域には味噌醤油の醸造元、酒屋、豆腐屋、塩屋、精米所、鍛冶屋などの店が建ち並び、生活に必要なものは全て岩崎で揃えることが出来たと言います。

平成27年度の末広町の町内会長を務めた高橋征悦さんは、先祖代々受け継いだ土地で農業を生業にしてきました。現在、52世帯161人が暮らす末広町は6班体制で町内会を運営しています。また、末広町内会は岩崎自治会(末広町、緑町、栄町、清影町、松並町、成沢、松裏、山崎、茜の9つの町内で構成)の一員として、岩崎盆踊り、岩崎八幡神社祭典や初丑まつり(裸参り)などの行事にも参加し、岩崎地域の活動を支えています。
 
 末広町町内会の活動の中で「1番大きな行事が鹿島まつり」と高橋さんは話します。鹿島様は稲藁で作られた高さ4mを越える人形道祖神で、毎年4月中旬~下旬頃に稲藁の取り替え(衣替え)をして、町内会で「鹿島まつり」を開催しています。「なんといっても鹿島。末広町で一番人が集まる行事」と高橋さんが感じる程に、鹿島様は末広町で大事に受け継がれてきました。衣替えは稲藁で腕、足、へそ、腰紐などの鹿島様の部品を住民が「分業」して作り上げていきます。誰かが指示しなくても黙々と部品を組み立て、鹿島様を完成させていく様子は、末広町のまとまりの良さを感じさせる光景の一つです。
 
 農作業の機械化が進み、鹿島様の稲藁の確保はどの地域でも悩みの種になっていますが、「昔からやってきたものを無くす訳にはいかない。鹿島様を残したい、祭りを続けていきたいと皆が思っている」と高橋さんは話します。春と秋の年2回行っていた鹿島様の衣替えは住民の負担を減らすために春1回に減らし、その代わりに鹿島様の上に屋根を設置することで稲藁の劣化を軽減させました。
 
 末広町町内会では、鹿島様の衣替えの準備を行う係を5軒一班でその年ごとに回しています。昔は2軒一班でしたが、不幸があった家や一人暮らしの家は負担が大きいため5軒にしました。また、12月の初丑まつりでは県外から参加する男性を町内で受け入れ、一緒にえびす俵を奉納しています。誰でも家族のように受け入れてくれるのが末広町。「おらほの町内はまとまりがいい。何かをやろうとする時も人がすぐ集まってくれる。若い人には行事に参加して町内の空気を感じてもらいたい」と、高橋さんは末広町の良さを感じ取っています。
 
2016年3月31日掲載

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