標高420メートルに位置する湯沢市の若畑地域で穫れるお米は、味が良いことで知られています。田植えは雪が消える5月中旬から始まります。しかし、標高の低い平野部と同じような米づくりでは充分な品質や収量は望めません。
若畑の農業は稲作技術の改良の歴史でもあります。平野部での平均収量と同じだけ穫れれば豊作と言われていましたが、昭和25(1950)年、農業改良普及所の加藤正一氏の進言により「保温折衷苗代」を導入して稲作改良を行い収穫量をあげていきました。
朝晩の激しい冷え込みが、病気になりにくいお米を育てます。高地での農作業は水田の温度管理や土づくりに手間がかかりますが、近隣の沼から水をひいて水路を整備し、工夫してきた若畑のお米には、先代の人々が培ってきた農業の歴史が詰まっています。