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歴史を知る

若畑 10戸33人の家族

画像:若畑 10戸33人の家族

 少し遅れて集落会館・カブト館に入ってきた斎藤豊市さんを「とよあんこ~、上座!上座!」と席によびよせる若畑の人々。

 「あんこ」とは「お兄さん」の意味を指すこの地方の方言です。この日、仕事を終えた若畑の人々が、カブト館に10人以上集まっていました。皆から「とよあんこ」と慕われる斎藤さんが席につくと会話はさらに盛り上がります。

標高の高い若畑は雪も多く、決して便利な土地ではありません。住民の構成も高齢化へ向かいつつあります。しかし笑い声が絶えないこのカブト館からは、なぜか悲壮感は感じられません。「喜栄の母さん、あれどうやって作るんだっけ?」「おれの母さんこれ作るの下手でよ」……ひとつの話題が始まると、「おれはこうだった」「うちはこうよ」と座が鎮まることなく会話は弾みます。

柔らかい皆瀬の訛りでふるさと自慢が語られると、若畑で生活してきたことを住民が誇りに思っていることが伝わってきます。団結力、実り豊かな自然、住民の人柄……ふるさとの自慢は尽きることがありません。

そんな中で、1人の住民の男性の言葉が印象的でした。「勤めで2、3週間、家を留守にしなきゃいけない時、体が不自由な自分の家族を、集落のみんなが面倒みてくれたんだよ」。人々が孤独を感じることなく、お互いをサポートしあい「安心」できる場所を作る若畑の人々。

「みんながいるから安心できる」。33人が暮らす若畑集落は、一つの家族のようにまとまっているのです。
2011年4月掲載

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