画像:板戸沼と若畑沼

-若畑の田畑を潤す湖沼群-

 湯沢市若畑地域では田畑の水源地として、古くから板戸沼(写真)と若畑沼を利用してきました。板戸沼からの水は、いったん若畑沼に引き込まれ、そこから水路を通って若畑の田畑を潤していきます。透明度の高いふたつの沼には、さまざまな生き物が生息し、若畑の自然の豊かさを感じさせてくれます。
 
板戸沼には、奥宮山の修験者の伝説も伝えられています。
板戸沼はかつて、現在よりも高いところにあり、大きさもずっと小さかったと伝えられています。沼のほとりには、一匹の白猫と僧侶が庵を結び、山菜を採ったり、沼の魚を釣ったりして暮らしていました。ところがある日、大荒れの天気と共に、激しい地鳴り、山鳴りが起き、嵐がおさまると今の板戸沼の形ができあがっていたそうです。その後、僧侶の姿は見えず、沼に浮かぶ流木につかまった白猫がいつまでも鳴いていたそうです。
 
奥宮山との関係が深い沼は今も静かに水をたたえ、その水は変わらず若畑の美田を潤し続けています。
 
平成23(2011)年4月掲載

こちらの記事もおすすめです

漬物(チョロギ、いぶり大根)

 若畑地域では正月料理によく使われるシソ科の多年草の植物・小さな巻き貝のような型をした「チョロギ」や、横手市山内のようにいぶり大根の漬物を作っている家庭も見られます。  各家庭で作られる漬物のバリエーションは豊...

漬物

若畑里づくり協議会の活動

  「小さい若畑 大きな団結」をスローガンに掲げる若畑里づくり協議会。  平成の大合併で皆瀬村が湯沢市と合併した際、「この小さな村が周囲から忘れられてしまうのではないか」。そんな危機感を抱いた住民は、「何とかして...

地域活動

地域団体

若畑の地名

 湯沢市若畑地域の「若畑(わかはた)」という地名は、現在の山形県を支配していた戦国大名・最上一族による稲庭城攻略の際、ここに陣を置き、旗を立てたものの、時期が早いため「若旗」といったのが起源と言う伝承があります...

歴史

地域の歴史