白と紫の藤を楽しむ「藤まつり」
湯沢市の岩崎地域にある「千年(ちとせ)公園」では、藤の見頃に合わせ、5月頃に「藤まつり」が行われます。昭和61年(1986年)に「千年公園に藤を甦らせる会」が結成したことがきっかけで始まりました。
かつて、千年公園は藤の名所として知られており、戦前は岩崎地域の住民だけではなく、近隣の地域からも藤の花を愛でに公園に赴いていました。千年公園の敷地近くには、地域の方に「妙見(みょうけん)さま」と慕われている神様が祀られる「高辻(たかつじ)神社」があります。その周りには杉の木が4本、高辻神社を囲むように生えており、その杉の木に白藤が見事に絡み合って、とても綺麗だった、と地域の方が懐かしむ声もありました。その美しい藤の様子から、「白藤明神」とも呼ばれていました。
その後、戦争などにより藤の花が絶えてしまいました。美しい花を咲かせる藤の姿をもう一度見たい……そうして、昭和61年に「千年公園に藤を甦らせる会」が結成され、住民の寄付や市の助成金により、藤棚の製作が始まり、昭和63(1988)年、ついに藤棚が完成しました。