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名物に触れる

泥炭「田村根っこ」

画像:泥炭「田村根っこ」

 横手市福島(ふくじま)地域では、昭和30年代まで、燃料として「泥炭(でいたん)」を使用していました。泥炭は、植物が枯れ、長年に渡って蓄積し炭化したもので、よく乾かして火を付けると、ゆっくりと暖かくなり、長く燃えるのが特徴です。
 主に、福島地域を含む「田村(たむら)」で取れたことから、「田村根っこ」と呼ばれ、地域住民から親しまれていましたが、石油燃料が普及すると、徐々に使われなくなりました。
 田村根っこは、いろりや風呂などに使用され、冬の生活には欠かせないものでした。ソリに積んで角間川集落まで売りに行き、生計を立てていた家もあり、当時は、田植えが終わると家族総出で根っこ掘りをし、子供たちは、夏休みも手伝いにかり出されたと言います。
 平成29(2017)年6月、住民同士の交流機会を作るため、福島地域の有志が、休耕田で田村根っこの本格的な採掘を行いました。地表を重機で1メートルほど掘った後、手作業でブロック状に掘り出し、それを5ヶ月ほど天日干しすると、田村根っこが出来上がります。
 また、地表から10センチほど掘ると、「黒ボク土」と呼ばれる黒土が現れます。昔は、その土に水を入れて泥状にし、丸めて乾かした「豆炭(まめたん)」も、燃料として使用していました。
 復活した田村根っこは、地域の憩いの場「福島停留所」のストーブの燃料や、12月に行う厄払い行事「病(やめ)焼き」で焼き餅を焼く際に使用しています。
 田村根っこのぬくもりが甦り、当時を懐かしむ住民たちは、根っこが燃える様子をいつまでも眺めていました。

2019年3月29日掲載
 

 

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