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語りを聞く

上笹子の自治会

画像:上笹子の自治会



 

 上笹子の丁岳方面に続く県道70号線沿いには、野宅、中村、砂口、天神などの集落が形成され、緩やかにせり上がる棚田が広がる、のどかな田園の農村風景が広がります。秋田県内屈指の豪雪地帯であり、詳しい記録の残る江戸時代でも充分な食糧を確保できなかった上笹子の人々は、松皮餅などの救荒食を発達させながら、集落ごとに協力しあい厳しい自然環境を生き抜いてきました。

 今でこそ、清水渕峡への架橋や国道108号線・松の木トンネルの開通で、他郷へのアクセスは快適になりましたが、かつて峠を越えて院内銀山や羽後町に行商に歩いた笹子の人々の苦労は図り知れません。「人と人とのつながり」を一番の宝に挙げる上笹子の人々の言葉からは、鳥海山麓の厳しい自然を生き抜いてきた人々のきずなの強さを感じさせます。

 旧暦8月1日行われてきた月山神社祭典は、現在9月の第一日曜日に行われており、笹子の人々のあふれんばかりのエネルギーが結集します。神社境内に掛けられた舞台では、50組近くの参加者が民謡などの演芸を披露します。参加者は子供から大人まで幅広く、自分たちで創作した踊りを披露する芸達者な上笹子の人々の姿を見ることができます。自分たちで楽しみを作り出す創意工夫の精神は、天神あやとりを独自のかたちで進化させた笹子の若者の伝統かもしれません。

 人と人とのつながりは、「楽しみ」を皆で共有することでもつながっています。四季折々の美しい鳥海山麓で上笹子の集落の絆は、さらに深まっていくことでしょう。
2010年12月掲載

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