本文へスキップ

語りを聞く

防災活動の足跡を辿る

画像:防災活動の足跡を辿る

  「格好付けて、いきなり難しいことをやってもな」。そう話すのは、琴浦自治会の皆さん。
琴浦地域は414世帯1085人が住み、平沢海水浴場が間近に広がる地域です。 

昔から目立った災害は起こらず、「津波が来る」という意識を持っている人は多くはないと言います。昔から教えられていたのは「地震が来たら海岸に逃げろ」ということ。「砂浜は地割れが起きないから安全だ」という意識から、このように伝わっていました。

しかし、そういった意識を一変させる大きな出来事が起こります。
2011年3月11日の東日本大震災です。2010年に自治会で発電機を購入していたため、秋田県全域が停電している中、テレビで情報を得ることが出来ました。その時、津波の恐ろしさを目の当たりにしました。
当時、にかほ市が地域に設定した津波時の避難場所は、高さ13mの場所にある「上町田遊園地」の1ヶ所のみでした。その後、国と秋田県が調査を行ったところ、琴浦地域は浸水地域に認定され、避難場所の遊園地は浸水する想定となりました。
そこで、自治会は新たに避難場所を考えました。津波の際に危険なのは海岸と川。
地域を分断するように「琴浦川」が流れているため、川を渡らないように避難する必要がありました。こうして考え出された結果、今の避難場所である「ホテルエクセルキクスイ駐車場」、「TDK秋田工場東口」が避難場所として設定されました。
また、時が経ち、避難場所として場所を提供いただいていることを覚えている人がいなくならないようにと、ホテルエクセルキクスイの経営者の善意により自治会と書面で約束が交わされました。
 
改めて大切だと感じたことは「自助」「共助」「公助」の3つで、特に共助の部分は災害時にはとても大切な部分です。共助とは「地域や近隣の人が互いに協力し合うこと」。
自治会では、サロン活動やイベントなど、人が集まる機会を増やし、その流れで住民同士の会話を増やすことで、地域全体で動くための繋がりを作ることを目的に活動を行っています。
こういった歴代の自治会役員が行ってきた活動は全て書面で残され、役員が変わっても自治会の意志は受け継がれています。現在の役員の皆さんも「今まで活動した記録が残っているのでありがたい」と話します。
 
「これからは毎年、内容をステップアップしていきたい」と皆さんは話します。
例えば「避難ルートの確認」→「時間短縮」→「避難弱者の支援」→「炊き出し訓練」といった流れで、まずは今できることから、除々に難しい問題に取り組んでいこうと意欲を見せます。
 
「夢は公民館も避難場所も全部合わさった夢の公民館を建てること!」
「1億円あればなあ(笑)」
難しい課題に直面しても、夢を思い描くことを忘れない琴浦自治会の皆さん。
歴代の自治会役員や、住民の皆さんが残してきた足跡をたどり、住民が安心・安全に暮らせるよう琴浦自治会の皆さんの活動は形を作り始めています。
 
2016年10月1日掲載
 
 

ページ上部へ戻る