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語りを聞く

佐藤富次商店 佐藤富郎さん

画像:佐藤富次商店 佐藤富郎さん


上笹子(かみじねご)地域は、国道108号線から丁岳(ひのとだけ)に向かって各集落が一本道に添って点在しています。その最も奥にある「上野宅(かみのやけ)」の、一つ手前にある野宅集落に「佐藤富次商店」があります。昔は呉服店も兼ね、薪ストーブも取り扱っていました。「看板を『よろず屋』にしたら?」と言われるほど、店には何でも揃っていたのです。
 
 現在、2代目店主を務める佐藤富郎さんは、店舗隣の「丁荘(ひのとそう)」で、女将を務める84歳の母親と奥さんと共に旅館も切り盛りしています。宿泊客は、富郎さんを「お父さん」、奥さんを「お母さん」と呼ぶなど、家族経営の温かみのある丁荘の雰囲気を気に行った県外からのお客から人気を集めています。
 
 野宅で生まれ育ったマイペースの富郎さんと、湯沢から嫁いできた奥さんは、夫婦共にアイディアマンです。「鳥海をもっと宣伝したい」という思いから、店の包装紙には、鳥海山に自生する高原植物「鳥海フスマ」の写真を使用しました。富郎さんは、当時の鳥海町役場で写真のネガを探し出し、奥さんは鳥海フスマの自然の緑色が出るまで色使いを工夫しました。性格が正反対なため、結婚してから喧嘩をしたことが一度もないと話します。
 
 富郎さんは、笹子商店街のメンバーで作る「青笹会(あおたけかい)」の一員でもあります。30年以上も前、笹子の青年たちで結成した青笹会は、笹子で「生ビール祭り」「清酒祭り」などのイベントを開催し続けています。発足時、青年だったメンバーたちも、現在は後継者を育成する年代に差し掛かりましたが、平成23年には、東日本大震災直後、被災した岩手県出身の笹子在住の男性を支援するため、メンバー13人が車3台で現地に駆けつけ、炊き出しを行いました。ガス、灯油、衣服など、生活に必要なものを自分たちで調達するなど、その活動は「青い笹」のまま、衰えることなく笹子地域を支えています。
 
 また、富郎さんは、笹子地域の四季折々の姿をシャッターに収めてきました。「誰に見せようと思うわけでもなく撮影していたから、どこの風景かわからないんだけど、時間が経つと同じ場所でも風景が一変するから面白い」と話します。名所といわれる景勝地の他にも、名もなき滝が山ほどある丁岳の風景もカメラに写してきています。
 
 「ここ(商店)には、いつでも人がいるから、おしゃべりをしたい人が集まってくる」。人と常に接してきた富郎さんから、笹子の思い出話が尽きることはありません。上笹子地域を訪れた際は、是非佐藤富次商店に立ち寄ってみてください。
 
【お問い合わせ】佐藤富次商店
●住所 由利本荘市鳥海町上笹子野宅14
●電話 0184-59-2336
2010年12月掲載

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