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語りを聞く

横岡自治会 会長(平成23年度) 斎藤俊之さん

画像:横岡自治会 会長(平成23年度) 斎藤俊之さん


   横岡集落は、言い伝えでは西暦
76年(弥生時代)からの歴史があると言われ、多くの伝統行事が残されています。周辺地域で行事が減少している中、子供の数は減っても行事は減っていないのが横岡自治会の自慢の一つです。そんな横岡集落の行事には、必ず横岡自治会の会長を務める斎藤俊之さんの姿があります。
 
横岡集落は、普請(ふしん)や伝統行事などの活動はもちろんのこと、中山間地域や、にかほ市のグリーンツーリズムモデル地区にも指定されています。にかほ市グリーンツーリズム推進協議会の会長も務める俊之さんは、行政と集落の橋渡し役として、忙しい日々を送っています。
 
「横岡の人たちは働き者だ」と言う生まれも育ちも横岡の俊之さんの目には、子供の頃から趣味が「働き」ともいえる先輩たちの姿が映ってきました。「彼らの力は大きい」、2010年から始まった集落単位のグリーンツーリズムでは、東京の子供たちが畑作業やそば作り体験をするときに、先輩たちが力を貸してくれています。個々の家々に民泊をお願いすると、快く引き受けてくれるなど、「自治会の活動がやりやすい体制が整っている」と、俊之さんは感じています。
 
俊之さんの言葉が尽きることはありません。中でも冬場に行う「サエの神」という行事は、「元祖(がんそ)」と呼ばれるガキ大将が恐ろしくも、とても面白い存在です。昔、集落の4か所に設置された小屋の中で、男の子たちは火鉢を持ちこんで泊まりこんだそうです。朝方になるとケンカに強い元祖は、隣の小屋に殴り込みをかけることがしょっちゅうありました。それでも15日の「餅もらい」には子供たちの面倒を見てくれる親分肌の先輩たちだったそうです。「俺は弱くて殴り込みかけられたほう(笑)。恐ろしいけどそれが普通だったんだよな」と楽しそうに当時を振り返ります。
 
また、子供の頃から親しみ続けてきた横岡集落の行事「鳥海山日立舞」では、俊之さんは「屋島路」と「三人立ち」を担当しました。俊之さんの舞に憧れた後輩が、現在の保存会メンバーの中に数多くいるそうです。鳥海山日立舞に限らず、横岡集落の人々は後輩が先輩の後ろ姿を見ながら、行事を受け継いできました。
 
「いい素材が横岡にはたくさんある」と話す俊之さんは、その中でも秋の景色が一番好きだそうです。横岡部落会館の窓から見える稲穂が垂れさがる棚田と日本海、後ろを振り向けば鳥海山がすぐ間近に鎮座しています。「横岡のいいところは、あまりにいっぱいあって」と返答に困る俊之さんの姿からは、横岡が好きでたまらない、そこに住む人々の思いを代弁しているかのような思いが伝わってきます。
2011年4月掲載

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