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歴史を知る

直根小学校の活動

画像:直根小学校の活動


  「故郷を愛し、世界を舞台に活躍する人間になってほしい」、真剣なまなざしでそう語るのは、現在、矢島小学校の校長を務める金利紀さん。2010年3月まで、涼やかな鳥海山に一番近い“山の学校”こと直根(ひたね)小学校で4年間、校長として子供たちと生活を共にしてきました。
49才、校長としての最初の赴任地が直根小でした。任期の2年はまたたく間に過ぎたそうです。「やり残したことがある。もう少し時間があればそれを形にできる」、そんな確信もあって任期の延長を希望しました。その後、金校長の青写真は実現に向かい、学校は地元に明るい話題を振りまく“パワー・スポット”になりつつあります。

都市部との交流は、直根小が力を入れている取り組みの一つ。昨年の9月、「秋田発・県の子ども双方向交流プロジェクト」により、葛飾区西小菅小学校の児童たちを招待したものがそれです。

東京・西小菅小の生徒を鳥海地区に招待した
 

 環境が異なる同年代の子供たちと接する刺激はもちろん、金校長には別な期待もありました。それは、大自然に触れた“都会の子”たちの反応――、川で遊び、星を眺めて感激する姿でした。「教え子たちは、生まれ育った場所の素晴らしさに気づいてくれたかな…?」、その願いは叶えられたようです。西小菅小の児童たちも大満足、交流はその後も続いています。
 その他にも、直根小学校では、西小菅で行われた「コミュニティー祭」に、米・味噌・リンゴなど、鳥海地方の特産物を送りました。結果、開催の二日間で“産直”の品々は完売したそうです。地域との連携を図りながら、地元のPRにも成功しました。

子ども双方向交流で訪れた東京での体験を地域の皆さんの前で発表した
 
“開かれた学校”を目指す直根小は、「地域の学校推進委員会」という学校独自のサポーター組織を立ち上げています。同会は地元の方々を主にした20人ほどで構成。委員長の正重寺住職を始め、伝統芸能である「下直根番楽」や「前ノ沢太鼓」の伝承者、あるいは町内会長といった多彩な顔触れによる集いです。
 話し合われているのは、小学校と住民による共同イベント、歴史や文化の継承などについて。委員会がパイプ役となり、地域の要望を学校の運営に反映させているのです。

伝統芸能の継承にも熱心に取り組んでいる
 
 実のところ、直根小学校は廃校が決定し、笹子、川内両小学校と統合され平成25年度から鳥海小学校となります。それこそが、学校と住民とを結びつけようとしている大きな理由になっていました。空き校舎が閉ざされたままの風景は、そこに暮らす人々にとっては寂しいもの――、“憩いの場”として長く活用されるような基盤を、今から整えているのです。
 現在、学校に登録されているボランティアの人数は70名以上。“サロン”の場として常時開放されている「“ちいき”のおへや」には、“勝手知ったる”という風に住民が気軽に訪れています。
 「この直根が好きなんですよ」と語る金校長。「子どもたちとの“今日”を、どうやって過ごそうか」、大好きな“山の学校”でそればかりを考えていたそうです。たくさんの魅力であふれる直根小学校には、今日も元気な子供たちと地域住民の笑顔であふれています。

 

2010年4月掲載

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