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名物に触れる

三ツ方森の山焼き

画像:三ツ方森の山焼き

  二車線の市道から三ツ方森(みつかたもり)集落へと曲がると、急に視界が開けてきます。それもそのはず、三ツ方森の会館周辺は、山の稜線となっているうえに、周囲に殆ど木が生えていない、広大な草地が広がっているのです。

 この絶景を維持しているのが「三ツ方森の山焼き」で、300年もの伝統を誇る、三ツ方森の人々にとって大切な「仕事」です。

 現在でも重要なのが病害虫の防止と、山菜類(わらび、ユリの根)の育成などで、「根花餅」も、この山焼きあってこそのものです。しかし山焼きには伝統的に、もっとたくさんの理由があったのです。

 草地にするのには、もちろん理由があります。それは「草」の確保で、かつて牛馬を使っていた時代、牛や馬の餌は非常に重要なものでした。大量に消費される牧草を確保するかどうかは、農作業にまでかかわる死活問題なのです。

 また、藩境監視の藩命を受けた三ツ方森の人々は、谷間ではなく、見晴らしの良い山の稜線付近に居を構えました。必然的に田畑にできる平地は小さくなり、山菜(わらび・ユリの根)などを貴重な資源として活用してきました。山焼きをやることによって灰が肥料となり、山菜と牧草は立派に育つのです。

 その山焼きに危機が訪れたのが十数年ほど前で、人手不足により続けることができなくなりそうになりました。そんな時、協力を申し出たのが石沢集落の「石沢川を探訪する会」の皆さんです。最近では秋田県立大の学生さん、そして公募の一般の方々も加わって行われるようになりました。

 協力するようになってから13年(平成23年度現在)、途中不可抗力での中止はあったものの、現在も伝統は脈々と受け継がれています。

  今年も、緑の山を創るため、山は赤く燃えます。
 

2012年5月掲載

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