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歴史を知る

岩見神社祭典

画像:岩見神社祭典

-いにしえの伝統を今に残す-

鵜養の東のはずれにある「岩見神社」、苔むした石段は古さと共に積み上げてきたものを感じさせます。この岩見神社で、4月8日に行われるお祭りは、伝統を強く受け継いでいるものでした。

春、雪解けもまだ十分でない鵜養集落のはずれに、「岩見神社」と大書された一対の幟が立てられます。神社へと続く農道が一気に神さびた空間へと変わるときです。

お祭り当日の朝、会館では薪を使い大がまに湯が沸かされます。会館の中では、しめ縄が張られ、切り絵が飾られて、祭典の準備が着々と進められていました。

祭典の始まる前に、氏子たちは和紙でできたわっかのようなものを首から下げます。11時、代表者と宮司さんが神社へと向かいます。社殿の中では厳かに神事が行われ、神様への感謝と祈りがささげられました。

このときの供物に一風変わったものがあります。御神酒の他に、「白もち(リンク)」と呼ばれる、生米をつぶしたものと「赤飯」で紅白を表しているそうです。

ここで一旦解散となり、宮司さんは会館で昼食、他の氏子たちも各々の家に戻って昼休みとなります。神職が食べる料理もしきたりとして、きちんと決まっています。

湯立の神事は、河辺地域では行われている所も多いそうですが、県内全体でみるとなかなか見られなくなった行事で、人が生きていくために必要な「火」「水」に行事を通して感謝する神事です。大釜に沸かされたお湯を、藁束を使って神職がかき回します。
そうすると、沸騰したお湯の形が「湯花」と呼ばれる形となり、藁に導かれて中央に立ち上ってきます。それを藁でいただき、神前に供えたり、藁に移した湯花そのものに感謝したりします。このとき、日の出と日の入りを表した切り絵にも藁束で湯が掛けられます。

一通り終わるのは、3時ごろで、そのあとは「直会(なおらい)」と呼ばれる御神酒をいただく会があります。このとき出るお吸い物にも、伝統的なレシピがあり、今でも大切に守られています。

祭りの最後、お札と「年縄(としな)」と呼ばれるミニサイズのしめ縄のようなものを戴いて、皆さんは帰路につきます。古い年縄は、家の前で塩をかけて焼き、灰は家々の間を流れる堰へと流されます。

遥か昔から、しっかりと守られてきた伝統が鵜養には息づいています。
 

2011年4月掲載

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