本文へスキップ

歴史を知る

茄子地人協会の活動

画像:茄子地人協会の活動

一芸に秀でた人々による新しいネットワークの集まり ―ズット秋田ニ居リマスー

2010年度、男鹿市・五里合地域で、「琴川すげ笠伝承塾」「五里合ものづくり学校」という2つのイベントが開催されました。主催したのは、任意団体「茄子地人(なすちじん)協会」。一風変わった会のネーミングは、童話作家・宮沢賢治が、地元農家の勉強会を目的に設立した「羅須(ラス)地人協会」からもじっています。代表を務める農家の鎌田展禎さんは、「労働だけでなく、芸術を勉強することで豊かに暮らそう」という賢治の考えに共感を抱き、「謙虚さを忘れず“おたんこ茄子”同士でがんばろう」という思いを会の名前に込めたそうです。

 農家、画家、音楽家、パソコン教室、店舗経営者など、自営業者を中心とした20~30代の若者たちで構成されているのが、茄子地人協会の特徴です。メンバーの居住地も、秋田市、男鹿市、大潟村と広範囲に及ぶため、定期的に会合を開くことはありません。彼らの活動を結んでいるのは、携帯電話のメーリングリスト。「何かやりたい」と思いたったら、メーリングリストを活用し、メンバーに一斉送信し、興味を抱いたメンバーが、さらに返信。その後、メンバーたちが活動に移していきます。メールや、たわいもない会話から、思いもよらぬ企画が生まれることもあり、会の活動のアイディアは、異業種の人々の出会いによって生み出されています。
 
 茄子地人協会では、男鹿市や秋田市を中心に、地元企業や商店を巻き込み、朝市や音楽イベントなどを行ってきました。参加メンバーは、みなボランティアですが、活動する際は、メンバーの商品を各自の店舗においたり、インターネット上で宣伝したりと、「お互いに貢献すると同時に、それぞれの住む地域に貢献する」という会のコンセプトを徹底しています。便宜的に代表と代表代行を置いていますが、その他に役職はおかず、発案者が活動の中心となり実行していきます。メンバーのアイディアとアイディアをコラボレーションさせる場所の提供こそが、茄子地人協会の重要な役目といえます。
 
 当初、鎌田代表が一人で始めた茄子地人協会は、現在30人近くになり、彼らの活動も新聞やテレビなどマスメディアに取り上げられる機会が増えてきました。中でも「琴川すげ笠伝承塾」は、地域外の人々を、五里合・琴川集落に足を運ばせることに成功し、2010年度、秋田県内初の、全国地域青年「実践大賞」(主催:日本青年団協議会)を受賞しました。
 
 活動を共有することで、仲間を増やしてきた茄子地人協会ですが、発足当初から、会の規則は特になく、メンバーたちも、いつのまにか会の一員になっていた人々ばかりです。鎌田代表は「このゆるさが、茄子の特徴」と感じています。茄子地人協会の「ゆるい」ネットワークは、今後、地域の交流人口を増やす上で、力強い味方となっていきそうです。
2011年4月掲載

ページ上部へ戻る