画像:殿渕(とのぶち)

 秋田市の鵜養(うやしない)地域を流れる大又川をさかのぼると、翡翠色の水を湛える渓谷、殿渕(とのぶち)が姿を現します。

 その名の由来には、昔この地を訪れた殿様がその場所で落馬したため、という説や、久保田藩2代目藩主の佐竹義隆公が、この場所で金銀の銭を撒いて地元の漁師たちに拾わせたことから、というものなど諸説あります。

 殿渕にかかる小さなアーチ橋を渡ると、透明感のあるエメラルドグリーンが眼下に広がり、清流の証であるイワナやヤマメなどの姿を見ることもできます。また、川面の両岸にはツツジやカエデが生い茂り、四季折々の姿を見せ、見る人の目を楽しませてくれます。

平成23(2011)年4月掲載
令和3(2021)年2月更新

■参考文献
『現地説明看板』

河辺町/編 『河辺町史』


 

 

こちらの記事もおすすめです

岩見神社

 秋田市鵜養(うやしない)地域にある岩見神社の創立は、大同2年(807年)までさかのぼります。  伝承では、大同2年、平安時代の武官として知られる坂上田村麻呂は、当時の三大妖怪と恐れられた大獄丸(おおたけまる)...

歴史

神社・寺

舟作(ふなさく)

  秋田市鵜養(うやしない)地域の東、大又川上流に位置する渓谷、「舟作」。    川底は赤い岩盤で、大又川の広い流れが、舟作の狭い溝穴に吸い込まれるように一気に落下して滝のようになる不思議な自然の造形美です。この狭...

自然・施設

佐竹藩主の遊覧と佐藤家

 標高100m余りの山あいにある秋田市鵜養(うやしない)地域。  今は自動車で気軽に岩見峡といった観光名所を楽しめるこの一帯ですが、江戸時代からも様々な人が訪れ、紀行家・菅江真澄や亀田藩主、また佐竹藩主に至っては何...

歴史

地域の歴史