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風土を楽しむ

ねぶ流し

画像:ねぶ流し

 

 「ねぶ流し」は、上岩川地域に江戸時代末期の飢饉をきっかけに行われるようになった「ケガジ(飢渇)を流し、豊作を祈る」行事で、毎年8月上旬に三種川の落合橋付近で行われています。
これまでは、住民の高齢化によりねぶ流しに参加する方の数も減る一方で、行事は存続を危ぶまれるまでになりましたが、2009年に県の農山村活力向上モデル地域に指定されたことによって、秋田県立大学の学生たちが大勢助っ人に駆けつけてくれました。
2009年8月6日に行われたねぶ流しには、県立大生50人が参加。主会場のには出店も並び、フォークロアバンドのパフォーマンスも行われ、伝統の行事は若者の協力のもと、昔の盛り上がりを取り戻しました。
日が暮れ、わらで作られた高さ3メートルを越す3体の「ねぶ」が次々と三種川に浮かべられ、火柱をあげて川を流れると集まった300人の見物客の興奮は最高潮に達します。 
橋の上では太鼓や笛のお囃子が演奏され、「ねぶねぶ流れー、ケガジも流れー」の歌声と飛び交う火の粉は、郷愁に満ちた夏の夜のひとときを演出しました。
 参加した学生のひとり、秋田県立大学の見上歩さんは「アグリビジネスマネージメント」というプロジェクトで、県内各地の農村活性化イベントのサポートをしてきました。見上さんは上岩川の隣の鹿渡(かど)地域の出身で、上岩川地域は幼い頃から馴染み深い地域だったそうです。しかし、ねぶ流しの存在は、交流活動に参加するまで知りませんでした。ねぶ流しはこれまで、地域でひっそりと続けられていた行事だったからです。
 
秋田県立大生の見上さん
 
 見上さんたちは行事の準備段階から参加。地元の方々の指導を受けながら、高さ3メートルのねぶ作りを体験。初心者には難しい作業でしたが、やってみると面白く、独特な木の組み方、縄の縛り方に関心を持ったそうです。そしてねぶ流し当日。1基は自治会長の加藤さんが、残り2基は学生たちが着火し、三種川に流しました。
 見上さんは、「今回は上岩川の人たちからの提案が多かったので、次は自分たちも企画を提案したいです。上岩川に住む同年代の若者たちにも参加してもらい、地元に対する自信と誇りを再確認するきっかけになったら嬉しいです。」と話します。
外部から若者が参加してこれまでにない注目を集めたねぶ流し。地域の担い手や参加者がもっと増え、上岩川地域の夏の風物詩として続く伝承されていくことを願って止みません。
2010年4月掲載

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