画像:北限のお茶「檜山茶」

 能代市・檜山地域では古くから「檜山茶」の栽培が行われており、製茶を行っている地域としては北限と言われています。檜山茶の起源は江戸時代中期まで遡ります。

檜山地域に城館を構え、能代山本地方を治めていた多賀谷氏の6代目、峰経(みねつね)が、享保15年(1730年)に京都の宇治から持ち帰らせた茶の実を育てたのが始まりです。
 その後「天保の大飢饉」が起こり、天保10年(1839年)に多賀谷家の家老、石川官太夫が伊勢神宮を詣でた際、宇治から茶の種と製法を受け、家臣に内職として勧めたことから栽培が広がりました。最盛期には200戸で栽培が行われ、作付面積は10ヘクタールにも及びました。
 現在の檜山茶の栽培を行っている農家は数軒となっており、希少なお茶となっています。有志でつくる檜山茶保存会は、6月中旬に檜山崇徳館(そうとくかん)で「檜山茶フェスティバル(主催:檜山茶保存会)」を開催しているほか、冬期間に3回「お茶手揉み体験」も開催し、一般の方にお茶に親しんでもらうイベントを開催しています。また、地域内で長年、和菓子づくりを行ってきた「茶誠堂」では檜山茶を使った「茶ようかん」や「檜山納豆ようかん」も販売しています。
 
平成29(2017)年6月掲載
 
【お問い合わせ】
●茶誠堂(電話:0185-58-5021 店舗:〒016-9151能代市檜山霧山下92-1)
●元祖檜山茶大髙園(電話:090-9084-5306)
 
※「檜山茶フェスティバル」と「お茶手揉み体験」については「檜山崇徳館(0185-58-3101)」にお問い合わせください。

【関連リンク】産地直送ブログ
檜山茶手揉み体験・夏の陣リポート(2019年6月掲載)

こちらの記事もおすすめです

檜山追分旧羽州街道松並木

 能代市檜山地域の追分集落を通る県道4号沿いに、江戸時代に整備された「羽州街道」の面影を残す松並木があります。羽州街道は当時の主要な幹線道の一つで、江戸からの距離の目安となるよう、一里(約4km)ごとに「一里塚」と...

自然・施設

歴史

花・樹木

史跡

檜山舞

   能代市・檜山地域に古くから伝わる「檜山舞(ひやままい)」は地域の上母体(かみもたい)集落で継承してきた秋田県指定無形民俗文化財で、「母体番楽(もたいばんがく)」とも呼ばれています。  檜山舞は母体八幡神社の...

伝統行事・イベント

郷土芸能

枝垂れ桜の名所「多宝院」

  能代市檜山(ひやま)地域には秋田県の有形文化財に指定されている「多宝院(本堂・山門・鐘楼)」があります。多宝院は慶長15年(1610年)に檜山地域に入った桧山多賀谷氏の菩提寺(先祖代々の墓がある寺のこと)で、枝垂れ...

自然・施設

歴史

ビューポイント

神社・寺