藤里町粕毛地域の「粕毛交流センター」では、毎年、盆踊り大会が行われています。広場からは太鼓の音が響き渡り、射的や焼きそばなどのテントは老若男女で賑わいます。その中で、ひときわ人々で賑わうのは、「粕毛婦人会」のテント。数量限定で「じゃんぷ」という氷菓子を販売しており、毎年すぐに売り切れてしまう人気ぶりです。
「じゃんぷ」は、見た目はかき氷のようですが、食感がかき氷とは少し違います。元々は、地元にあった「さいとうじゃんぷ屋さん」が販売していましたが、残念ながら閉店となり、「じゃんぷ」の作り方を知っていたお母さんたちが、「じゃんぷ」の味を懐かしんで各家庭で作ったことから、粕毛地域の家庭の味となりました。凍らせ方や砕き方にこだわりがありますが、その方法はお母さんたちだけの秘密。
盆踊りで「じゃんぷ」を食べて育った子供たちが、お母さんたちから作り方を聞き、次の世代へ受け継がれる……こうして、地域ならではの味が作られていくのでしょう。