八峰町の本館(もとだて)集落では、
400年以上の間、「本館城址たいまつ祭り」が行われてきています。
9月11日、小さな本館集落で長年受け継がれてきた
伝統のお祭りの様子をリポートしたいと思います!
本館集落は、日本海が望める国道101号線と五能線のさらに奥にあります。
写真のちょっと高台になっている場所が本館です。
本館の背後にそびえるのが本館城址。
戦国時代、甲斐・武田氏の一門とされる武田重左衛門がこの地を治めていましたが、
百姓たちと重左衛門の間に起きた争いにより、多くの命が失われたと言われています。
写真は本館の夕映えの館からみた日本海。
戦国時代、この地域の人々も、この日本海を見つめていたのでしょうか?
一揆で、命を落とした人々を弔うために、
本館の人々が始めたと言われるのが「本館城址たいまつ祭り」です。
400年以上前から続けられているなんて凄いですよね。
現在、本館自治会が先祖代々の行事を引き継いでいます。
夕方17時ころになると、集落の人々は山城のあった場所に移動を始めます。
松源院のお坊さんにより、供養の儀を執り行われたあと、
参加者一人一人がご焼香をあげます。
白黒の幕が張られていることからも、このお祭りが、観光を目的としたものではなく、
亡くなった人々を供養するためのものだと分かります。
供養の儀が終わると、松明を持って下山の準備です。
写真を取り損ねてしまいましたが(涙)、
この城址のさらに上の山頂からは、戦国時代、能代の檜山のお殿さまに伝えたという
「のろし」が再現されました。
だんだん戦国時代の雰囲気が漂ってきましたよ~。
続々と参加者のみなさんが下山していきます。
真っ暗に見えますが、現場は、和気あいあいとしています。
足元もちゃんとはっきり見えますし、
写真より、現場はもっと明るいですよ~。
参加者の中には、以前取材した八峰町・石川の高峰山植樹に参加された女性もいました!
取材班のことを覚えていてくれて涙ものです(涙)。
本館のお隣の集落や、本館の人に誘われたという、地域外の人々も多く見られました。
さて、山から本館集落までは、歩いておよそ15分ほど。
集落に降りてくる瞬間は、目の前に日本海が開け、爽快感抜群です。
静寂と暗闇に浮かびあがるオレンジの松明の灯りは、鎮魂の行事を静かに色どります。
戦国時代にタイムスリップしたかのようなひとときでした。
本館自治会の斎藤進さんは
「自治会が祭りを行うようになって20年近くになります。途中で休んだことも何度かありますが、
地域のみんなで「何か」をやることは、とても大切」とお話していました。
下山が終了したら、集落にある「そば打ち体験館」にもどり直会(なおらい)です。
小さな本館集落ですが、集落の人々の結束力は見事なもの。
秋田県で最初に作られたグリーンツーリズム施設「夕映えの館」も
本館の人々のチャレンジから始まり、現在に至ります。
以上、本館地域から、「本館城址たいまつ祭り」のリポートでした!