1月15日(火)、にかほ市横岡地域で「上郷の小正月行事」が行われました!
横岡自治会から写真とコメントをいただいたのでご紹介します(^^)/
●上郷の小正月行事とは
上郷地域の「横岡」と「大森」、2つの集落で受け継がれている小正月行事です。
子孫繁栄を願う「サエの神(才の神)」、
豊作祈願の「鳥追い(餅もらい)」など、1月15日に、
複数の行事がまとめて行われるのが特徴で、主役は男の子たち♪
これらの行事は「上郷の小正月行事」として、
平成10年に国の重要無形民族文化財に指定されています。
こちらが「サエの神」のご神体。初めて見る方はびっくりするでしょう(^^)
横岡に悪いものが入ってこないよう守ってくれる神様で、
地域の入口など4か所に祭られています。
1月11日は、サエの神の傍に、稲わらで「小屋」を立てます。
小屋の中には古くなったご神体を祭り、
正月に使用したお札などもまとめて置いておきます。
小屋立ての様子は、過去に元気ムラサイトでも紹介してるのでご覧ください!
→→サエの神小屋立てリポート(平成24年掲載)
昔は20人近くの男の子が、サエの神の小屋に入って餅を焼いたり、
甘酒を飲んで遊んだりしましたが、現在は子供も少なくなり、
小屋に入って遊ぶような事はなくなりました。
小屋の大きさも、子供3人がやっと入れるほどになっています。
本番当日。朝8時に小屋に火をつけます。
この時の火の煙の流れで稲作の出来を占うそうです。
こちらは、サエの神の前で参拝する人々。ご神体の前で、自分の年の数だけ
鉈(なた)で餅を削り、子孫繁栄と豊作を祈願します。
右の写真は、今年新しく御神体を奉納した住民の斎藤万蔵さんです。
ご神体も、古くなったものは小屋と一緒に燃やし、
新しいご神体を奉納しているんですね。
午後2時から、小学生10名、中学生5名が自治会館に集まり、
住民の佐藤輝一さんの指導で「サエの神」の唄を練習しました。
唄は「サエの神」「餅もらい」「初嫁」「鳥追い」とあります。
午後4時、豊作祈願「鳥追い行事」の「1番鳥」が行われました。
鳥追いは「1番鳥」「2番鳥」「3番鳥」と続きます。
1番鳥は、男の子たちが、サエの神の小屋跡に移動し、
「鳥追いの唄」を歌いながら小屋の回りを三周しました。
午後5時からは「2番鳥」。
地域内を一軒ずつ回り、各家で「餅もらい」するんです。
この日は日中の穏やかな天気から一転、2番鳥の時間になると、
激しい雨が降るあいにくの天気に。
急きょ、雨から太鼓を守るためにビニールをかぶせました。
雨の中での「餅もらい」は大変でしたが、
子供たちはカラフルで暖かそうなウエアに身を包み、
元気に「餅もらいの唄」を歌いながら回っていました。
昔は、どこの家でも餅を上げていたけれど、今はお菓子・ラーメンなど
種類もたくさん。「おめどこの子だ?」「★★の子」「大きくなったな」と
微笑ましい会話も見られました。
●1月16日「3番鳥」
上郷の小正月行事は「3番鳥」で締めくくられます。
3番鳥は16日の早朝に行うため、小学生(高学年)と中学生は、
自治会館に泊まります。早朝の暗い中、子供たちが打ち鳴らす太鼓の音が
地域内に響き渡り、今年も上郷の小正月行事は終了しました(^^)
横岡自治会の斎藤安昭さんによると
「横岡の正月準備は、前年の秋の稲わら収穫から始まります。
現在は農作業の機械化で、稲わらを収穫するのは大変な作業ですが、
地域住民の努力もあって、今年も小正月行事が引き継がれました」。
農作業の形態も変わり、餅は現代のお菓子に変わりました。
小正月行事は、昔と少しずつ形を変えて受け継がれていますが、
子供の時の経験が、ふるさとの原風景として、大人になっても
ずっと残っていってほしいですね。
横岡地域から、上郷の小正月行事の様子をお届けしました!