6月8日(木)から、能代市・檜山地域の「檜山茶(ひやまちゃ)」の栽培、製茶を代々受け継いでいる「元祖檜山茶大髙園」の製茶作業が始まりました!
檜山茶が地域に伝わったのは享保15年(1730年)のこと。檜山地域に城館を構えて能代山本地方を治めていた「多賀谷氏」の6代目である峰経(みねつね)が、京都の宇治から茶の実を持ち帰らせて育てたのが始まりとされています。
その後、「天保の大飢饉」が起こり、天保10年(1839年)に多賀谷家の家老、石川官太夫が伊勢神宮を詣でた際、宇治から茶の種と製法を受け、家臣に内職として勧めたことから茶の栽培が広がりました。
最盛期には200戸で栽培が行われ、作付面積は10ヘクタールにも及んだといいます。
檜山地域は製茶を行っている地域としては北限として知られ、檜山茶は「北限の茶」として親しまれています。
現在は3戸が檜山茶の栽培や製茶を行っています。
今回はそのうちの1戸、「元祖檜山茶大髙園」の製茶作業にお邪魔しました!
大髙園では10アールの茶畑を受け継いでおり、代々受け継いできた昔ながらの手法で製茶を行っています。
茶葉は製茶する前日に摘み取りを行い、翌日の早朝に窯で蒸し上げます。
●蒸し上がった茶葉
蒸した茶葉はざるに入れて寄せておき、「葉打ち(はうち)」や「手揉み」を行う際に使う「焙炉(ほいろ)」の火入れ作業が行われます。
●母体の炭
以前は地域外から取り寄せた炭で作業を行っていましたが、本当の意味での”檜山産”の茶作りを目指し、今年からは檜山地域の母体集落と学生団体「ARCグループ」が行っているプロジェクトで作られている「母体の炭」を使って作業を行います。
大髙園では昔から藁に火を付けての製茶作業を行っており、そのお茶の香りはどこかスモーキーな香りがするのだとか。
製茶に使われる道具や建物はなんと80年以上使い続けているそう!
右の写真の道具は「かます」と呼ばれる道具です。
茶色く見えるのは茶渋。長年の蓄積が見て取れますね。
葉打ちを行っているのは大髙園20代目園主の大髙翔(かける)さんです。
大髙家で代々受け継ぐ神職を3年前に継いだことがきっかけとなり、製茶業を翔さんの祖母から受け継ぎ、今に至ります。
葉打ちは茶葉の水分を飛ばす作業で、およそ30分ほどの時間をかけて行われます。
葉打ちの後は「粗揉み(あらもみ)」に移ります。
粗揉みには先ほども紹介した「かます」という道具を使い、その上で茶葉を強く揉んで繊維を潰していきます。
粗揉みは茶葉の味を引き出すための重要な作業です。
おおっ、お茶の良い香りがしてきます~(*^O^*)
粗揉みの後は「手揉み」。
手揉みでは粗揉みをしたことによってダマになっている茶葉をほぐしながら、さらに乾燥させていきます。
繊維を潰したことにより、中からさらに水分が抜け、水蒸気が見られるようになります。
●葉の乾燥が進むと、除々にまるまってきます
手揉みはじっくりと時間をかけ1時間~2時間を要します。作業が進むと乾燥した茶葉が針のようにくるまり、普段目にするお茶っ葉になります。手揉みをしたお茶っ葉の出涸らしは綺麗に開き、葉の形に戻るそうですよ。
手揉みを十分に行った後は、焙炉の火力を落として置いておき、ますます乾燥させます。
1㎏ほどの茶葉を乾燥させると、200gまで軽くなるそうです。
製茶作業は6月初旬から8月中旬まで行われ、瓶詰めの檜山茶が販売されます。
テレビで大髙園が紹介され、広く知れ渡ったことで檜山茶の予約はなんと現在2年待ちなのだとか!
全て手作業で真心を込めて作られている檜山茶。その伝統の味をぜひ味わってみたいと感じました(*^O^*)
以上、遥か昔からの伝統と歴史のバトンを受け継ぐ「元祖檜山茶大髙園」の作業場から集落活動コーディネーターがお届けしました!
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【元祖檜山茶大髙園】
●電話番号 090-9084-5306
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