4月16日(日)に湯沢市・岩崎地域で、地域を見守る人形道祖神である鹿島様づくりが行われました!
平成28年度末まで湯沢市地域おこし協力隊を務め、現在は移住コーディネーターとして市内で活躍している増永洋子さんから、末広町の鹿島様作りの様子をリポートしていただきましたのでご紹介します♪
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4月16日に水神社で行われた末広町の鹿島様作りへ行ってきました。
地域を守っている「鹿島様」。
毎年春に新しい鹿島様が作られています。
鹿島様ができるまでを簡単にまとめると……
◇わらを組む
◇分担して鹿島様のパーツを作る
◇古い鹿島様を焼く
◇完成した鹿島様にいのる
このような工程で行われています(しかし、この日は風が強かったため、古い鹿島様を焼くことはできなかったため、翌日の朝に焼いたそうです)。
まずはわらの準備!
8時からの作業開始と聞いて、到着するとすでに多くの人がいました!!
私も「はかまとり」のお手伝い。昨年もやらせてもらいましが「あれ?どうやるんだっけな?」と忘れてしまった部分もあり……周囲の方の様子を見ながら真似をしてみました。
手を櫛のようにして、髪の毛をとかすようにしていきます。何度か行うとわらがきれいになっていきます。整ったら最後に‘トントン’とそろえるのもポイントです。上手な方の作業を見て教えてもらい、少しずつコツを掴んでいく……実際に自分でやってみると様々な発見がありました!
「はかまとり」がなんとなく終わると、個々の場所に分かれパーツ作業に入ります。号令がかかって作業に入るわけではないので、「いつのまにー!?」という感じで作業が進められます。これも末広町の特徴のひとつかもしれませんね!
藁は、岩崎の緑町と末広町が共同で作っているコシヒカリを使用しています。稲刈りをして天日干ししてこの日まで大事に保管しているそうです。
作業風景
わらを柔らかくしていきます。トントントン!
先輩から作業を教えてもらっている地域の方がいました。「みててな。」と先輩に言われ、作業姿を真剣に見つめていました。「う……ん?こうか?こうかな~??」と言いながら何度も挑戦していました。感想を聞いてみると「現場で教えてもらうことが大事。今までは見ていたけれど実際にやってみると難しい。」と言っていました。時々見せる笑顔には、先輩に教えてもらえる喜びを感じました。
完成がこちらです。手と足の指です。
このような感じになります。
皆さんの作業の様子。真剣な表情や作業する背中を見て、鹿島様の歴史を感じ、この光景を大事にしなくてはと思いました。
皆さん様々な作業をしているので、思わずじっと見つめてしまいます。「何を作っているか、わかるか~??ふふふ。」何を作っているのか想像したりするのも楽しいです。
パーツ作業は、個々に担当が決まっているわけではありません。作業についてたずねると「この部分しかつくれねぇ。」とそれぞれ皆さんおっしゃっていました。一人ひとり自然と作る部分が決まっていて、大きな鹿島様が完成するってすごい!!
今回末広町の鹿島様は、8時から作業が始まり、11時半前には終了しました。こんなに大きくて立派な鹿島様が3時間半くらいで出来上がってしまうことも毎年驚きます。
こちらは、刀を差す部分。
おへそや胸部分です。
まるで裁縫をしているようです。木の針で合わせていきます。
皆で作ったパーツを組み立てていきます。
出来上がりました!!左に映っているご神体も新しくなりました。
新しくなった鹿島様はなんだか気持ちよさそうで、背筋がピーンと伸びているようにも見えました。
鹿島様作りのために人が集まる。
集まることが減っている地域が多い中で、こうして鹿島様を通して地域の人が繋がっています。シンプルなことだけれどとても大事なことだと感じました。
※5月14日には水神社近くの千年公園にて「藤まつり」が開催されます!!
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増永さんのリポートいかがでしたでしょうか♪
鹿島様づくりを伝えていく中で生まれるコミュニケーション、そして地域の皆さんが集まる機会ができること。
伝統を伝えていくことはとても大切なことなのだということを改めて確認することができました!
以上、岩崎地域・末広町から増永さんのリポートでした!