12月25日(日)、子供たちが大喜びでサンタさんからのプレゼントを開けている頃、男鹿市・安全寺地域では山の神の使いである「ナマハゲ」が身につける「ケデ」編みが行われました!
……うーん、我ながら実に意地悪な言い回しでございます(笑)
毎年、ケデ編みは大晦日前の休日に行われています。
安全寺公民館には、大晦日にナマハゲに扮する皆さんが集まっていました!
安全寺地域のナマハゲは6体おり、1体に3枚のケデが必要になるため、全部で18枚編みます。
防寒対策を兼ねているので、着るとかなりの分厚さになります!
上の写真のような藁束を2つ使って1枚を編み上げていきます。たくさんの藁が必要になるんですね~!
藁束から少しずつ藁を持って三つ編みの要領で編んでいくのですが、加減を間違うとケデが短くなってしまうことも。
このように綺麗に編み上げられるのは、40年もケデを編んできた熟練の技があるからこそなんですね。
ケデを編み終わると、お面の修繕に取りかかります。
古くから、それぞれのお面を保存する家が決まっており、お面の裏には屋号が記されています。
各家々からナマハゲのお面を集め、傷んでいるところを修繕していきます。
普段目にするナマハゲの顔色は赤や青が主ですが、安全寺地域のナマハゲは金色!
暗闇で光が当たると映える色なのだとか。
ナマハゲの髪の毛は藁と「うみし(す)げ」という海藻が使用されており、髭は馬のしっぽで作られています!
馬のしっぽが使われているところを見ると、かなり昔からお面があったことが分かりますね。
お面の修繕作業は細かい作業なので、時間をかけてじっくりと行われ、この日は5体分の修繕が出来ました!
★修繕完了!
6体のナマハゲは3体ずつに分かれて地域内を回るのですが、その3体には名前があります。
名前は「奥山の奥の助」、「笹台(ささで)の三助」、「木場(きば)の金助」。
それぞれに名前があるなんて面白いですよね。
昔はケデ編みをしたり、様々な準備をしたりする場所として「宿」が決められていました。
ナマハゲ行事の当日、子供たちは昼頃からそわそわし始め、その年の「宿」の周辺を行ったり来たりしてナマハゲの動向を探っていたそうです。肝試しや怖い物みたさがあって、子供たちは自らナマハゲの近くに寄っていくのだとか(笑)
宿からナマハゲが現れると子供たちは一斉に逃げ出し、逃げ遅れた子はナマハゲに捕まって雪の上に投げられた……と、かつてのナマハゲ行事の様子をケデ編みをしながら話してくれました。
男鹿のナマハゲ行事は今は大晦日に行われていますが、元々は1月15日に行われる小正月行事でした。
「15日にナマハゲが御山(真山)から下りてきて、男鹿市内を巡り、御山に戻ってくるのは一日後」という考えで、御山のふもとにある安全寺地域では「戻りナマハゲ」と呼び、他地域のナマハゲ行事よりも一日遅れて行われていました。
今は、里帰りなどの関係で安全寺地域のナマハゲ行事も大晦日に行われています。
安全寺地域のナマハゲ行事についてメモなどは残されておらず、全て記憶が頼りですが、子供の頃からの記憶は鮮明に焼き付いているようでした。
今年も、安全寺地域の大晦日はナマハゲたちの咆吼と子供たちの元気な叫び声がこだますることでしょう。
以上、12月下旬とは思えない日和となった男鹿市・安全寺地域から集落活動コーディネーターがお届けしました!