4月17日(日)、湯沢市の岩崎地域・末広町で「鹿島様」づくりが行われました!
鹿島様は稲藁で作られた地域の守り神。
末広町では毎年、春先に稲藁の付け替え作業を行っています。
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今回は湯沢市地域おこし協力隊・荻原さんから詳細なリポートをいただきました!
以下は荻原さんの原文そのままでご紹介します♪
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4月17日(日)、湯沢市の岩崎地域・末広町にて年に1度の鹿島様づくりが行われました。
当日の天気予報は雨マーク。事前確認によると「少雨決行! 土砂降りの場合も、
神社のお堂の中などを利用してつくる!」という力強いお言葉。
ちなみに「これまで大雨の中で作業したことはあるんですか?」と、
聞いてみたところ、「うーん……。ねな。」と。
その言葉どおり、この日、作業中は途中パラパラと雨粒が落ちてきたくらいで済み、
終わった途端に本降りになりました。(午後には暴風警報が発令されるくらいの荒れた
天気に。作業中は鹿島様が雨雲を押さえてくれていたのかもしれません。)
到着すると、そこはすでに作業の真っ最中。
各パーツをつくるための稲藁の準備が行われていました。
まずはいつもどおり、藁をしごくところから。
手慣れた様子で作業をこなす皆さん。稲の葉部分などを取り除いて、
できるだけきれいな茎だけの状態にします。
稲藁は、町内の方がつくっているコシヒカリの藁をお願いして頂いているとのこと。
あきたこまちでは、長さが短くなってしまうため、
鹿島様づくりには適さないそうです。
パーツによっては、ぐいっと捻ったり、細かく編んだり、という作業が必要なものも。
そのままの稲藁では硬いため、大きなトンカチや小ぶりな木槌で叩いて
しなやかにする作業も進みます。
丁度いい具合の石を台座に、トントン、ドスドスと叩かれる稲藁。
そうやってやわらかくなった藁の一部は、
ぐいっとひねるパーツのひとつ、『指』の職人さんのもとへ。
器用にするすると全体をひねりながら、
鉄棒を支柱にしてねじりが加えられていきます。
「手と足、合わせて全部で20個つくらねねがら。多いな。」
なんてお話をしながら、次々に指が編みあがっていきました。
そのほかのパーツも着々と。
神社の軒下とその周りでは、腕と脚に巻きつける部分を
みんなで協力してつくっていました。
そのほかにも、腰巻やお臍と胸になる部分。
胴回りを覆う藁には、お裁縫のように木の大きな針を使って藁の紐を通していきます。
(この藁の反物みたいなもの、米俵の材料なのだそう。今回はじめて知りました。)
縄も協力して編みあがっていきます。
細いものは、ここからさらに加工を加えて、刀の鍔部分に?
そして大物が「横綱」と呼ばれる、腰巻用の太い綱。
3人がかりで、ぐるぐると回りながら仕上げます。
出来上がった綱からは、ぴょんぴょんと藁が飛び出ているので、
最後にそれを焼いたら完成です。
出来上がったパーツをどんどん組み上げていって……
胸の位置決めをして、顔の位置を調整して……
みんなで参拝。
お神酒で労をねぎらいます。
今年も立派な鹿島様ができあがりました。
実は、鹿島様のご神体は左に写っている小さな石碑なのです。
こちらも、装い新たに、無事完成!
鹿島様をつくるとき、どのくらいの量の藁をつかって、太さはどれくらいにするのか、
どうねじっていくのか。それをはかるのは全部、手の感覚です。
だから、簡単そうに見えるのに、教えてもらっても、これが全然うまくいきません。
「何回もやってみるしかねな。」という言葉に、大きくうなずきました。
今回、気づくとあちらこちらで技の伝承が行われていました。
少しずつ、末永く、この文化が続いていけばいいなぁと思った一日でした。
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荻原さんのリポートいかがでしたか?
末広町で受け継がれてきた、きめ細やかな鹿島様づくりの様子が伝わってきますね♪
荻原さん、ありがとうございました!
湯沢市岩崎の末広町から鹿島様づくりの様子をお届けしました(^^)