大晦日に、五里合地域の鮪川集落で行われた「なまはげ」の様子を先日ご紹介しました。
今回は琴川集落のなまはげ行事の様子をご紹介したいと思います!
琴川のなまはげは青鬼、赤鬼の2匹で家々をまわりますが、
子供のいる家は、この通り。4匹集まると、子供にとってどれだけ怖いんでしょうか……?
男鹿半島全域で行われている「なまはげ」行事には、
各集落ごとに、面の作りや、なまはげの所作、もてなし方法にも微妙な違いがあります。
なまはげでお邪魔した琴川の家々では、玄関を入るとすぐに
写真のような仏壇のある部屋があります。この部屋でなまはげをもてなしますが、
どこの家々も、なまはげがいても、まったく違和感のないお部屋ばかり。
見事に、家と人、そしてなまはげがマッチしています。
囲炉裏のある家もたくさんありました。
こちらは、なますや、焼き魚、お刺身など、なまはげをもてなす「なまはげ膳」。
ちなみに、なまはげは、すすめられるお神酒は飲みますが、なまはげ膳には手をつけません。
各家々で、なまはげ膳も異なるので、たくさんの家を見て回れると面白いですね。
大晦日は、帰省した家族とともに過ごしている方が多いのではないでしょうか?
暗闇の中に見える白い道を歩く琴川青年会のみなさん。
向かう先にあるのは、そんな琴川の人々が談笑して過ごす、一家団欒のひとときです。
大晦日の夜、外を練り歩くのは彼らだけ。
「けら」のわっさ、わっさという音が、静かに聞こえます。
そして、また家々に入り、真っ先に探すのは……
もちろん子供たち!
やはり、なまはげの風景はこうでなくては!子供たちごめんね!(汗)
子供時代になまはげを経験できるなんて、本当にうらやましいなぁ~。
さて、今回、取材班は、五里合の鮪川と琴川の「本物」のなまはげを見させてもらいました。
なまはげと人、そして集落の風景、
すべてが一つとなってつくりだす「なまはげ」の姿が、そこにありました。
自分たちの育った木のぬくもりが残る家。
なまはげの怖かった記憶を笑顔で語る人々、
そんななまはげを、孫が来たように温かく迎える人々
「こんな情景が本当に残っているのか」、と感じた五里合地域の大晦日でした。
時代の移り変わりにより、各集落のなまはげも少しずつ変わってきていますが、
昔も今も変わらない、なまはげへの思いが、人々にあるように思います。
「怖い」なまはげを見てきたはずなのに、
そこにあったのは、人々の温かさが伝わる情景でした。
なまはげに記憶を共有する五里合の人々が、
次の世代に五里合の「なまはげ」を、きっと伝えていってくれることでしょう。