9月6日(土)に、北秋田市文化会館と北秋田市交流センターで
「あきた元気ムラ大交流会2014」が開催されました!
大交流会は第1部と第2部に分けて行いました。
前編の今回は、第1部の伝統芸能発表の様子をご紹介します!
第1部は北秋田市文化会館内で3団体の芸能保存会の皆さんより、
地域についてや、伝統芸能の保存継承などの今までの取り組みを
スライドを使いながらご紹介いただき、2団体からは伝統芸能を披露していただきました!
始めに披露していただいたのは
北秋田市・前山(まえやま)地域の「前山郷土芸能保存会」の皆さんです!
まず始めに、保存会の小笠原忠夫会長より、活動についてご紹介いただきました!
前山地域は国道7号沿いに広がる地域で、近くには前山駅があります。
昔から稲作と林業が盛んな地域で、山々には樹齢100年を超える杉林があります。
前山地域に伝わる芸能は江戸中期、今から約250年前に当時の村の旧家が
雷山下に村を作った際に豊作と厄除け祈願として雷皇神社へ奉納したことが起源と言われています。
かつて佐竹氏が秋田県入りした時の様子が、前山地域の伝統芸能の原型になっていると伝わっています。
平成20年6月、第59回全国植樹祭へ出演し、天皇・皇后両陛下の前で演技を披露、
平成25年6月には北秋田市指定無形民俗文化財に指定されました。
前山郷土芸能は「大名行列」、「獅子踊り」、「奴踊り」、「雑魚(じゃこ)釣り舞」の4つで構成されていましたが、
今は「大名行列」の一部と「奴踊り」、「雑魚釣り舞」が継承されています。
前山地域の芸能は大人と小学生が継承をしていましたが、10年ほど前から中高生にも参加してもらい、
郷土芸能への愛着心を育んでもらおうと考えています。
今回は「奴踊り」と「雑魚釣り舞」の2つを披露していただきました!
まずは奴踊り!
鮮やかな赤い襦袢(じゅばん)に化粧まわし。力強さを感じる格好良い衣装です。
扇子や棒を持ち、力強くもなめらかな踊りです。
小さな後継者も立派に踊りきりました♪
次は雑魚釣り舞です。
明るくコミカルにお囃子が演奏され、釣り道具を持った男性2人が登場します。
釣り好きの兄弟が、朝早くから夜遅くまで魚釣りをして楽しむ姿が素材となっています。
釣りを始めると、早速、竿に当たりが。
これは、大物の予感!?
奮闘してようやく釣れたのは、ぞうり。
悔しがる2人は休憩をしながら、なにやら話し込んでいます。
虫に刺されて痒がったり、虫を退治をしたりという細かい演技も見られ、コミカルで面白い舞です!
舞も終盤、再び竿に当たりが!
お囃子も、より一層盛り上がりを見せます。
横に行ったり前に引かれたり……大物の気配です!
兄と思われる方が、弟に手伝うように促します。
2人がかりで釣り上げたのは……
えっ、本物!? 本物の鯉が釣れました~!!
会場からは割れんばかりの拍手!
雑魚釣り舞の兄を演じていたのは、会長の小笠原さん!
お囃子などの後継者の確保、獅子踊りの復活など、これからの目標を話してくださいました!
前山郷土芸能保存会の皆さん、素敵な舞をありがとうございました~♪
次は、藤里町・大沢地域の「大沢壮士舞(おおさわそうしまい)保存会」の皆さんです!
保存会の細田鐵芳(てつよし)会長より、活動についてご紹介いただきました!
「大沢壮士舞保存会」は元は独立した一つの会でしたが、
「地域の大切な伝承は地域全体で取り組もう」と、20年程前から
大沢自治会に「芸能保存部会」として組み込まれ、地域一体となって活動に取り組んでいます。
地域に伝わる「大沢壮士舞」は明治30年頃に大沢地域に伝わったといわれています。
当時、諸国巡業をしていた武芸者が、大沢地域に住む戸嶋ミナさんに
剣舞を教え、戸嶋さんから大沢地域の女性たちへ伝えられました。
大沢壮士舞は、元禄14年に起こった赤穂(あこう)志士の吉良邸討ち入りの様子を舞ったものです。
●平成25年11月のけやき祭りで披露した様子
大沢壮士舞は大沢地域で行われる神社の祭典や、けやき祭り、藤里町町民祭などで舞われ、その際は子供たちが主となって舞いますが、今回は、お母さんたちも一緒に舞台で舞いました。
舞を彩るお囃子は「声」と「バチ」を叩く音のみ。
荘厳でゆったりとした、討ち入り時の覚悟が感じ取れるような
ピリッとした雰囲気が会場を包みました。
凛とした皆さんの表情がとても格好良かったです。
大沢壮士舞保存会の皆さん、ありがとうございました!
続いて、大仙市・田沢地域の
田沢地域運営体「荷葉」の羽根川朋幸さんから
下田沢集落で伝承する「大山荷葉梵天奉納」行事の取り組みについて発表いただきました!
田沢地域は田沢湖の北側にあり、鎧畑地区、上田沢地区、下田沢地区、先達地区の4地区からなる地域です。
大山荷葉梵天の奉納は、田沢神明社の祭典が行われる毎年8月17日に行われます。
ご覧ください! 梵天奉納のこの迫力。写真から熱気が溢れて来るのを感じませんか?
実は、大山荷葉梵天奉納には2回、継承の危機がありました。
昭和20(1945)年代後半には、下田沢地区の4集落がそれぞれ1本ずつ梵天を奉納していました。
スライドに使われている写真は昭和20年代のものなんですね~。素敵な写真です!
この20年後、昭和40(1965)年代初め、梵天の奉納はせず、田沢神明社の祭典のみとなりました。
それから4年後、地区の青年会が若衆梵天として梵天奉納を復活、
平成元年(1989年)頃、再び奉納行事が中断してしまいますが、
その後、下田沢地区の大山集落で復活。今も熱気溢れる奉納行事の継承が行われています!
田沢神明社の祭典に合わせ、行われるようになった、「たざわの夏祭り」。
NPOたざわ村の「お祭りプロジェクトチーム」が企画したものです。
NPOたざわ村も参加する、田沢地域運営体「荷葉」の皆さんからの協力があり、
田沢神明社の境内には屋台や舞台が設置され、賑やかにお祭りが行われています!
地元、田沢幼稚園の園児による踊りや、地元の皆さんによる歌や踊りも披露されます!
夏祭りを楽しんでいる間に、各家々への梵天の奉納が終わり、夜、田沢神明社へ梵天が奉納されます。
梵天奉納の復活には、若者の力と、お母さんたちの力があったと言います。
最後に、羽根川さんは
「何もないと嘆くよりも、何ができるかを皆で考える! 限界集落なんて言葉は笑い飛ばそう!」
と締めくくりました。
それぞれの地域で、伝統の継承の形は様々ですが、
「地域が一丸となって継承する」というところは共通しているのではないでしょうか。
伝統芸能を披露し終えた地域の皆さんの素敵な笑顔がとっても印象的でした!
さて、午後の部は、地域の皆さんが誇る郷土の味が大集合!
午後の部の賑やかな様子は後編でご紹介します♪
広域連携推進員「らび」がお届けしました~!