9月21日(日)、能代市の上町自治会・サンピノ自治会合同の
防災セミナーが開催されました。
セミナーでは、参加者が実際の避難所を運営する立場になって
考える「避難所運営ゲーム」が行われましたよ。
当日の様子をご紹介します!
会場は福祉交流複合施設「能代ふれあいプラザ・サンピノ」。
1~2階には保育所やデイサービスセンター、社会福祉協議会などに加え
市民が利用できる集会交流室などがあります。
3階から上は市営住宅となっており「サンピノ自治会」が組織されているんです。
一風変わった自治会名は施設名から由来しているんですね。
セミナーの前に、両自治会の皆さんは避難訓練を実施したのですが、
取材班がサンピノに到着した時は、
上町、サンピノ両自治会とも避難訓練が終了していました!
写真左は避難者のチェックを行う自治会の皆さん。
上町は自治会を8ブロックに分け、防災責任者、情報伝達員を決めて、
各班ごとに一時避難所を設定しています。
写真右は救護道具の使い方を学んでいるサンピノ自治会の皆さん。
サンピノは市営住宅のため、避難する際は
上の階から下に降りてくるのが特徴です。
避難訓練が終了したら、サンピノ2階の集会交流室で防災ワークショップ。
上町、サンピノの両自治会の住民はもちろん、
近隣の自治会や大館市からの参加者も含め約50人が参加しました。
能代ふれあいプラザ・サンピノは上町とサンピノ、
両自治会の実際の一時避難所となっています。
「避難所運営ゲーム」は、避難所で起こる様々な問題に
どう対応するかを疑似体験できるゲームなんです。
真冬の12月の日曜日午後2時、震度6弱の地震が発生し、
大津波警報が発令されたという想定のもと行われました。
参加者は7つのテーブルに7~8人ずつ分かれ、
それぞれのグループにはサンピノの図面が置かれています。
こちらはゲームで配られるカード。
家族構成、年齢、性別といったサンピノに避難してくる人々の
情報が書かれています。
高齢者の一人暮らし、風邪やインフルエンザの疑いがある子供・家族、
認知症や心臓病、妊娠中の人、
30人近くの観光客、外国人などなど……
これらの避難者の情報が読み上げられたら、
どの場所に避難者を配置するか避難所の運営者として考えるのです。
誰が避難してくるのか「分からない」のがポイント。
時間が経つにつれ、避難者の数も増え、
サンピノのスペースも少なくなっていきます。
続々と読み上げられる避難者の情報の対処に加え、
「マスコミの取材依頼」「災害対策本部からの対応」
「犬、猫、鳥」といったペット同伴の避難者や喫煙所の設置など、
突発的に起こるイベントにも対処しなければいけません。
ゲーム終了後、秋田県防災士会の方から講評がありました。
「大事なのはルールづくり」と言います。
例えば、喫煙者の対応。
煙草を吸うのを禁止すると隠れて吸ってしまい、火事等の危険も出てきます。
避難所の一番遠い場所に喫煙所を設置するなど
具体的なルールづくりをするといいそうです。
サンピノ自治会長の大塚康央さん(写真左)と
上町自治会長の能登祐子さん(写真右)。
大塚さんは「ゲームでは対応にもたもたしてしまった。
実際はもっと酷い状況になると思う。継続は力なり。
機会あるごとに訓練を続けていきたい」とコメントしてくれました。
能登さんは「毎年、防災訓練を実施しているが、以前に作った
上町の住民を把握した防災マップも様変わりしてしまいました。
こうした現状に諦めず周囲と連携していきたい」と話してくれましたよ。
こちらは避難所運営ゲーム後に行った「非常食」の試食体験!
なんと炊飯器を使わなくても、温かいご飯を作れるんですね~。
写真のように「ハイゼックスシート」と呼ばれる炊飯袋に
適量のお米と水を入れて、
アルミの鍋に水と一緒に煮立てるだけで作れるんだとか!
上町で揃えた非常食のカレーライスやハヤシライスと一緒に
試食してみましたが、普通の物とあまり変わらず美味しい!
上町すみれ会の皆さんです♪
お揃いのジャケットがいいですね~。
上町自治会は平成17年に自主防災組織を立ち上げて以降、
毎年防災訓練を行っています。
防災の基本は「自助」と言われます。
サンピノ自治会でも自主防災組織を立ち上げており、
今回のワークショップでは、両自治会の住民の皆さんの
継続した活動の姿を見ることができました。
広域連携推進員・みこたんのリポートでした!