7月20日(日)、横手市・木下地域で「鹿嶋様祭典」が行われました!
この日は朝から「鹿嶋様」の体を新しく作るため、
「鹿嶋神社」の近くにある作業場には30人以上が集まりました!
木下地域の鹿嶋様信仰は約400年の歴史があり、
鹿嶋様の体を新しく作り替える作業もその頃から続いています。
その頃から「腕を作る人」、「足を作る人」など、作る部分を役割分担して継承していました。
しかし、担い手の方に不幸があった場合に作れる人がいなくなってしまうため、
誰でもどの部分でも作ることが出来るように、
今年は「農地・水保全管理支払交付金活動」の一環として「鹿嶋様作り講習会」を開きました。
講師は木下地域の6人の方が務めます。
さて、まずは鹿嶋神社に祀られている鹿嶋様を作業場までお連れします!
鹿嶋神社には白装束を身にまとった鹿嶋様が鎮座していました。
凛々しいお姿ですね~! 鹿嶋様を間近で見るのは初めてです。
鹿嶋様は男性4人がかりで担いでお連れします。
鹿嶋様からパーツが外され、いよいよ鹿嶋様作りが始まります。
まずはワラを手で梳(す)き、木槌で叩きます。
余分なワラを取り、さらに木槌で叩くことで柔らかく使いやすいワラにしていきます。
作業は役割分担をして行われます。
ワラを梳く人、木槌でワラを叩く人、腕や足を作る人……。
講師の皆さんは、それぞれ分担の方のところへまわりながら
指導していきます。
ワラをねじって束ねたこの部分は、鹿嶋様の手足の指になります。
20回、この工程を繰り返すんですね。大変な作業です。
簡単には真似できない先人の技術に、皆さん真剣な表情で取り組みます。
ワラを固定する紐の結び方一つにも技術が光ります。
一方、作業小屋の外では「ガツギ」という植物で
鹿嶋様が羽織る裃(かみしも)を作っていました。
昨年の裃を参考にしながら、次々と糸で縫っていくんですね。
細かい作業です!
そして、こちらが完成した裃!
わ~! 綺麗ですね!
丁寧に縫われていることがとてもよくわかります。
さあ、鹿嶋様の体が出来上がってきました!
ここまででおよそ3時間! 大変な作業です。
●今年の鹿嶋様のお顔
鹿嶋様のお顔は紙に描かれており、ワラで出来た顔の部分に縫い付けられます。
お顔は毎回違う表情になると困るため、同じ方が描いているそうです。
●昨年の鹿嶋様のお顔
祭典の「お宿」に選ばれた方は、お札と鹿嶋様のお顔をいただくことができます。
お宿とは、鹿嶋様のご神体がお休みになる場所のことで、神事などもお宿で行われます。
今はお宿を「木下会館」に統一していますが、
昔は「鹿嶋様祭典年番(鹿嶋様祭典のその年の当番)」になった班の中からお宿を選んでいたといいます。
お宿に選ばれた人のことを「後見人(こうけんにん)」と呼び、「年番」の代表とされます。
鹿嶋様の御利益を受けられるということで、お宿は大変名誉なことでした。
さらに昔になると、後見人には位の高い方しかなれなかったと伝わっています。
お召し替えも講師の皆さんに教わりながら行います。
どうやるんだろう? というところは先人から伝えられた知恵が光ります。
こうして、技術を持つ皆さんから知恵や技を教わることは大切ですが、
なかなか機会がないものですよね。
完成までの約3時間が、とても大切な時間に感じました。
仕上げにひげや髪の毛が取り付けられ、立派なお姿になりました!
地域の方は「今年の鹿嶋様は優しい顔をしている」と話していました。
さて、作業場の外には鹿嶋様が練り歩きの際に乗る台車が到着していました。
ガツギや萱(かや)で作られた屋根が掛けられ、涼しそうですね!
さあ、鹿嶋様のお召し替え完了です~!
皆さんいい表情をしていますね!
鹿嶋様のお召し替えの後は、会館で「完成慰労会」が執り行われます。
かつては、作業をした小屋の持ち主の方の家で完成慰労会が行われていましたが、
今は会館で行われています。
3本の剣が携えられ、勇ましいお姿です!
完成慰労会の後、そのまま会館で「神事」が執り行われました。
神事に参加したのは、今回の祭典の年番である下班の皆さんです!
この後、鹿嶋様の前で「直会(なおらい)」が行われ、
いよいよ鹿嶋様祭典も後半です!
さて、後編では鹿嶋様祭典に駆けつけたスペシャルゲストと、
鹿嶋様ご巡幸の様子をお届けします!
お楽しみに~♪