美味しそうなお料理!
皆さん、どこか懐かしい感じがしませんか?
6月15日(日)、男鹿市・男鹿中地域の集落の一つ「三ッ森(みつもり)」にお邪魔した際に撮影しました。
今回は三ッ森集落の「さなぶり」の様子をご紹介します。
10集落で構成される男鹿中地域。
三ッ森集落は「なまはげライン」沿いに位置します。
青鷺(あおさぎ)橋が目印です。
この日、三ッ森の皆さんは、
早朝から集落の草刈りや花壇整備を行っていました。
道路端の草も刈られ、すっきりした後、集落会館で「さなぶり」です。
先日、男鹿中地域の地域おこし会のリポートでもご紹介した「さなぶり」の際、
三ッ森の三浦区長さんから
「三ッ森では“昔料理”を作って賑やかにさなぶりをやってるよ!」と
教えていただいたので、さっそくお邪魔したのでした。
テーブルには美味しそうなお料理が並んでいますが、
その中で気になるものが一つ……
こちらが、三ッ森のお母さんたちが作った「さなぶり料理」。
食材はお刺身以外は「その辺りの山で採ってきたもの」!
山菜のミズの漬物やガラ竹と呼ばれるタケノコの煮物など
旬のものがベース。
特に気になるのが、手前の葉っぱでくるまれた食べ物。
いったいなんでしょうか?
葉っぱを開くと出てきたのは「お赤飯」。
男鹿中地域では「小豆飯(あずきめし)」、
又は「五月飯(ごがつめし)」と呼んでいます。
朴の木の葉を「サランラップ」代わりに使用しています。
写真は葉っぱを採ってきてくれた目黒さん(写真左)。
お隣の奥様と一緒に撮影させてもらいました♪
葉の香りがご飯に染みて、とても美味しいです。
昔は初植えの日(田んぼに水を入れる日)に、
御神酒と一緒に小豆飯を「田の神」にお供えし、
農作業の合間に家族で食べたと、皆さん話します。
朴の葉が無い時は「イタドリ(さしぼ)」や「フキ」の葉を使ったそうです。
県南地方だと「朴の葉まんま」と呼ぶ地域が多く見られますが、
男鹿中では「小豆飯」か「五月飯」と呼ばないと
地元の皆さん「?」となってしまうのです。
地域によって呼び方が異なるのも面白いですね。
こちらは、さなぶりのメイン料理「あんぷらにしめ」。
「あんぷら」は男鹿で「じゃがいも」のこと。
「あんぷらにしめ」は、身欠きニシンや椎茸、こんにゃく、フキ、
じゃがいもを使った煮付け料理です。
さなぶり料理作りに携わった加賀さん(写真左)と
目黒さん(写真右)です。
集落のお母さんたちと前日から準備していました。
昔、自宅で結婚式をしていた男鹿中では、
お嫁さんを見に行った地元の人々は「お土産」に
「あんぷらにしめ」をもらって帰りました。
「お土産にもらって帰るのが楽しみだった」と加賀さんは話します。
三ッ森のさなぶりで「昔料理」を作るようになったのは、
区長の三浦さん(写真右)の発案です。
「集落で一人暮らしの女性が増えてきたが、今回のような場で
昔の腕をふるって欲しい」とお母さんたちにお願いし、
毎年、田植え後の「さなぶり」と稲刈り前の「作休み」で
昔料理が登場するようになりました。
「作休み」とは小作人が稲刈り前に農作業を休んでいい日のこと。
もう少し休みが欲しい場合は
地主に「追願い(おいねがい)」をしたそうです。
「旨いな~、懐かしいな~」と区長の三浦さん。
「うちのばあちゃん、母ちゃんたちが作ったから旨いんだよな」。
う~ん名言ですな!
ちなみに「あんぷらにしめ」。
実はさなぶり料理の中で1番人気の無い料理のことから、
最後まで残ってしまうお料理でもありました(汗)。
このエピソードから男鹿中では、宴会などの場で最後まで居残っている人を
「あんぷらにしめ」と呼ぶんだそうです。
使用例は「うちの父さん、あんぷらにしめだものな~」。
今回のさなぶり、果たして「あんぷらにしめ」は何人いたのでしょうか?
みんな楽しそうなので、結構いそうですね。
広域連携推進員・みこたんのリポートでした!