3月30日(日)に横手市・木下地域で「観音様」が行われました!
「観音様」は女性のみで集まり、毎年3月の最終日曜日に行われている行事です。
この日、今年のお宿(当番)に当たった皆さんは朝から準備で大忙し!
お宿を務める皆さんは、観音様と地域の皆さんをもてなすため、様々な準備を行います。
昔は、お宿を務める方の家で行われていましたが、今は木下会館で行われています。
当番の皆さんが準備しているのは
ツヤツヤ甘口のお赤飯にお吸い物、お漬け物、
寒天や「なると餅」などのお菓子類、そして卵酒。
中でも、赤飯と卵酒は昔から欠かさず作られていましたが、
卵酒の作り方がまたユニークなんです!
卵をボウルでよーく混ぜ、そこへお砂糖を入れて、お酒をやかんで温めて……。
そして、温まったお酒を入れ始めたところで、お母さんがひと言。
「誰か火つけて~」
……火?
マッチを擦り、やかんから注がれるお酒に「ボッ!」
お酒に火が付いた状態で、卵が入ったボウルに注がれていきます。
これは、アルコールが強くなりすぎないように火でアルコールを飛ばしているそうです。
女性だけで集まる行事ならではの心遣いが見えました。
さて、タイトルに「奇祭!」と書きましたが、どこが奇祭なのかというと……。
なんと、お宿である木下会館まで観音様を背負ってお連れするんです!
観音様は小さく可愛らしいお姿ですが、侮ってはいけません。
観音様は石造り。優に30キログラムを超える重さです。
重い、重すぎる。
背負う方の背中に座布団をあてがい、そこに観音様を3人がかりで乗せます。
さらに、観音様が落ちないように「おんぶ紐」でしっかりと結びます。
木下会館までは歩いてすぐの距離なのですが、
重さ30キログラム超えの観音様を背負っていると、とても長い距離に感じられそうです。
観音様は正式には「子安観世音菩薩(こやすかんぜおんぼさつ)」と呼ばれる
「子宝」の神様で、昔から観音様を背負ってお宿にお連れするという風習が受け継がれています。
観音様を背負ったおかげで子宝に恵まれた方もおり、霊験あらたかなお祭りです。
今回、観音様を背負った方にはお子さんが一人いますが、お母さんたちと一緒に
「もう一人できるべか(かな)?」と話していました。
お宿(会館)に到着すると、観音様のお召し物を取り替えます。
ピンク色の可愛らしい着物に衣替えして穏やかな表情を浮かべる観音様です。
お顔に母性が感じられますね。
観音様が到着すると、続々と地域の女性が集まり始めました。
観音様にお参りをして、卵酒とお赤飯を頂きます。
次にお宿に当たる方々は、どのように「おもてなし」を行うかを参考にするため、
メモ帳を持参して来るそうです。
デザートにはケーキが付いています! 豪華ですね~♪ 美味しそう!
昔は、嫁ぐときに作ってもらった着物を着てお祭りに参加していたと言います。
年に1度、おめかしをしてご馳走を食べ、女性同士、話に花を咲かせる……。
今で言う女子会のようなお祭りですね。
地域の方から、「久しぶりに会う友達と話すこともご馳走のひとつ」と素敵なお言葉を頂きました!
観音様は皆さんが楽しむ様子を優しく見守っていらっしゃいました。
以上、雨降りでも心は温かい木下地域から
広域連携推進員、らびがお届けしました!